第6章 忘れたい物事ほど思い出す
お互い目を逸らすことが出来ずにいたが
ハッとなり先に目をそらしたのは天音の方だった。
だが口を先に開いたのは土方の方からだった。
土方「……ここに用があるんだろ、入れよ。」
天音「屯所に用があると言うか…その…」
土方は大体の予想は付いていた。
だが天音の方から自分の所へ来たことに着いては予想外だった。
その為気持ちが一向に落ち着かない土方だったが
入口にずっといる訳にも行かず天音に着いてくる様に言った。
土方「……いいから、着いてこい。」
お互いこの前の事があり、かなりぎくしゃくしていた。
まわりも内容こそは知らないが、その様子を察してか、二人に声をかける人は居なかった。
土方は話がしやすいように、なるべく隊士達がいる所を避けた所に移動した。
天音「あ、あの…」
土方「ん?どうした?」
天音は自分からここへ来たものの、一体何を話せばいいのか分からなくなっていた。