第2章 それぞれの朝の動き
大野視点
「おはようございます」
声が聞こえてきた。
(ん~?)
目をゆっくり開ける。
目の前には白いフワフワの布団。
横を見ると白いカーテンを開ける橋本が見える。
(あぁさぁ~?まだ…眠い…)
布団の中に戻ろうを体を動かす。
橋本「携帯に着信あります」
(だぁれからぁ)
橋本「ご自分の携帯ですよ?自分で確認してください」
「ん~」
ベッドに寝たままで両手を伸ばし携帯を探す。
橋本「テレビの囲み取材からになりますので、お風呂を溜めています」
「んー」
頭をかきながら、上半身を起こす。
(風呂?入っておこうかなぁ…)
橋本「我々は上の階でミーティングをしておりますので、ご自分で時間の管理お願いします」
橋もっちゃんが服を持ってきてくれた。
「え… ひとりぃ?」
橋もっちゃんがはーっと盛大にため息をはく。
橋本「大野さん大人でしょ?」
冷めたい言い方。
「ぅ~ だってぇ」
ベットの上で口を動かす。
橋本「私は、あなたの単独行動の所為で、色々調整が必要なんです」
橋もっちゃんが俺を睨む。
(うっ なにも言い返せない…)
ベッドから下りて、服を受け取る。
(あ… これ翔くんが出してくれたヤツだ…)
橋本「この作業も本来ならご自身でするべきなのですよ…」
ブツブツ小言をいう橋もっちゃんがどんどん“爺”になっていく。
(あーー 爺になっていく…)
小言を聞こえないように自分の耳をふさぐ。
爺{若!}
長い白髭の老人が大声をあげる。
「わかってる! 俺だって、このままじゃイケないのは、わかってる。 でも どうすればいいのか…」
爺{確かに、今の若のお力は本来のお力の半分もありません。しかし 望まれたのは、まぎれもなく貴方様ですよ}
片膝を付いて見上げる爺。
「うん… だって 俺はもう 失いたくない」
爺「お心が決まっているなら しっかり 貫いてください。
我々は 若を“我が君”と崇め従い続けます」
片膝を付いたまま頭を下げる爺。
「うん ありがとう 風呂入って来る」
爺の肩を叩いて、バスルームに入る。
(崇めるかぁ)