第1章 ハワイの朝

二宮視点

俺がマグカップを出していると、翔さんが冷蔵庫からミルク瓶を出した。

「翔さんはカフェオレぇ」（飲みたいの？）

Ｓ「うん♪」
　ミルク瓶をニコニコ見せる翔さん。


（そのまま入れると、アイスカフェオレになるよぉ）
「ちょうだい？（すこし）温めるかぁ…」


Ｓ「はい　よろしくねぇ」
　嬉しそうにミルク瓶を渡してきた翔さん。

蓋を開け、レンジに入れる。


｛サトシ　目を覚ました｝
理解者から報告。


≪こっち来そう？≫
作業をしながら理解者に問う。

｛動きは、まだない｝


≪そ　じゃ　そのまま≫


レンジからミルクを出し、コーヒーに入れる。


（うるさいのが来るまでに）
「はい　おまたせ」
マグカップを翔さんの前に置く。


Ｓ「わーい　温かーい」
　両手でマグカップをゆっくり包み込む翔さん。



（ふふ　このやり取り🎵おじさんに見せたら怒られるでしょうねぇ）



　　コン
　廊下ほうから音が聞こえた。


（ノック？この部屋か？　…　…違うな）


テーブルの上にある一枚の紙を覗き込む。
「翔さん、これタイムスケジュール？」


Ｓ「うん　さっき吉桜ぁが持ってきたぁ」
　ふうふうと息を拭きながら答える翔さん。


自分はブラックのコーヒーを口にする。

（ぁ　まだ　あついな…）
「質問内容も書いてるんだね」
紙に箇条書きが並んでいる。


Ｓ「俺が、全部答えちゃだめだからさぁ…」
　マグカップを両手に持ちながら頬杖をつく翔さん。

「分散しますぅ」


Ｓ「そうだね…なるべくみんなが写りたいし…」

（コマ画かぁ　音声は差し込めるから）


｛マーがカズナリの部屋が開けるまで、叩き続けておる｝
理解者から報告。


（誰もいないのに？バカじゃない…

　このフロアー貸し切りだから、平気ちゃ平気だけど…



　見に行くか）

「俺のパソコンこっち持ってきていい？」
自分のコーヒーをカップに紙の横に置く。


Ｓ「いいよ」


「ちょっと帰る」
翔さんの部屋を出る。



　　コンコンコンコンコン

　異常な低音の連打ノック音が廊下に響いている。


　自分の部屋の前で、上半身裸に男が小刻みにノックをしている、異様な光景が目に入ってきた。


（あーーりえねぇーー）