第71章 接待と食事
相葉視点
M「おいしそうだよ?」
優しい声の松潤。
「おいしいと思うよ」
持ってきた プリンを開ける。
(誰かが食べ始めないと食べにくいよね)
「松潤も食べて!!」
一つ松潤の方に渡す。
M「ああ ありがとう」
受け取るとすぐに開けて
M「うーん 甘すぎなくて うまい!!」
ちょっとうけるくらい大げさな潤ちゃん。
「でしょ でしょ!」(俺もたべよ!)
パクっとプリンを食べる。
N「みんなが食べるなら…」
ゆっくりプリンにスプーンを入れるニノ。
(あ! やっと 食べてくれる!!)
嬉しくて、感情が高ぶるのが分かる。
「あっ!」
ニノの手からプリンの容器が落ちていく。
「あぁ 大丈夫? 足 あたってない?」
(これ邪魔 下見えないじゃん)
落ちた容器を拾う為にテーブルクロスを上げ、テーブルの下にもぐる。
ニノの足元にころがる プリンの容器。
(あった 良かった 中身出てない!)
拾う為に四つん這いでニノの足元に近づく。
座っているニノの生足が靴とズボンの隙間から見える。
(ん ニノの足に痣?)
あんまり 外に出ないから白い足だから ものすごく目立つ黒いところ
(なんだろう これ どこかで 見たような…)
フラッシュバックのような映像が目の前に広がる。
細い手足に無数の黒い痣のある人
座ったままで
重湯を口に持って行っても 口を開けてもくれない
「たべて…」
なぜか 口から言葉がこぼれる。
体が震える 心が叫び出す。
『食べなきゃ 死んじゃう』
ガンっ
「ぃ! ぃたたあ…ぁ」
テーブルの内側に当たった頭をさわる。
(思い出した…)
M「大丈夫か?」
潤ちゃんがクロスをめくって覗いてきた。
「潤 ちゃん…」(ちょっと きて)
口に人差し指をくっつけて、手招きする。
潤ちゃんがゆっくり中に入ってくる。
(伝えなきゃ でも 言葉にしたら…)
口の前にあった人差し指がニノの足首を指す。
俺が指した所を見て、潤ちゃんがギョッとした目をする。
(驚くよね…すん だって…)
俺の方を見た潤ちゃんがキリっと目に力を入れる。
(泣くな? 泣かないよ ただ 怖いんだ…
だって あの黒いの翔ちゃんの羽根にもあった から…)
容器から出てしまったプリンの残骸を手で集めている。