第71章 接待と食事
相葉視点
周りがザワザワしても 俺の隣は静か 静かすぎる
ニノが立ったまま 微笑みを浮かべたソトズラで動かない。
布面のソトズラは 俺だって して その場をやり過ごす時もあるから、するなとは言えないけど
(その布 速攻 めくりたい!!)
脳内で 叫ぶ俺。
吉桜「お疲れ様です」
翔ちゃんのマネが近づいてきた。
ニノのピクッと肩が動く。
(あ 反応した)
吉桜「皆様には まず 食事をと思いまして ボックスを用意しております」
まるで翔ちゃんのような話し方をする。
(ボックス席って事か…じゃ あのビュッフェは食べられないのかな…)
吉桜「はい こちらです」
吉桜くんが歩き出した。
ニノがふらっと、音もなく動き出した。
(あ!まって そのまま 動くとあぶないよ!!)
周りに気づかれないように そっと肩を触って、吉桜くんの誘導に合わせる。
吉桜「皆さんのテーブルはこちらです」
吉桜くんが会場の一番煌びやかな花が飾られているボックス席を指し示す。
(花で囲ったボックス席…
ニノは壁の奥が良いかな?)
ゆっくりソファの奥へ押していく。
テーブルには小さく小分けにされた食事や瓶の飲み物が並んでいた。
吉桜「お飲み物はジュースとアルコールございますが いかがしますか?」
O「そこのジュースだよね?」
大ちゃんが瓶を指さす。
吉桜「はい」
O「じゃ みんなソレ」
吉桜「かしこまりました」
グラスに氷を入れコーラだと思う炭酸ジュースを五つ注ぎ始める。
「ニノ…何か食べる?」
布ごしだけど 声をかけてみた。
N「…いぃ…」
首を振るニノ。
(いいって それは困る とりあえず食べれそうな物…)
近くにあったクラッカーにツナが乗ったのを一つ取った。
「これなら…食べれるよ?」
口の近くに持っていく。
N「ぅうん…」
頭を小さくふる。
(食べれないの?)
パクっとクラッカーを口にいてる。
(うん ツナマヨだね!)
「じゃ…これは…」
次にクラッカーにトマトが乗ったのを一つ手に取る。
S「おまたせ」
翔ちゃんがボックス席の中に入ってきた。
(あ 翔ちゃん… これ どうしよう 食べちゃえ!)