第70章 打ち上げ会場

二宮視点

ウチの社長はいい意味でのバケモノ

精霊に　獣に　アレは妖魔　悪鬼まで…　従者として引き連れている。

（俺の理解者たちを欲しがられた時は　御断りに大変だったなぁ）

社長「今日のLIVEよかったよ。さすが僕が選んだ〝嵐〟だ」
　満足そうな声色。


Ｍ「ありがとうございます！！これからも　精進します」
　前方の潤くんが頭を下げる。

俺も一緒に頭を下げる。

社長「うん　楽しみにしている」
　楽しそうなトーンの声。

（今日は　機嫌がいいね…）


司会「嵐のメンバーが到着されたようなので、ご来席の皆様　一度　こちらの方にご注目　願います」
　司会者の進行アナウンスが会場に響く。


　ざわざわしている会場が静かになる。



司会「それでは、一言お言葉をいただけますか？」
　司会者が近づいて来る。


社長「え　僕？いいよ！
　僕の事なんか聞くより、嵐の誰かが挨拶しないと」
　ジャニーさんが俺たちの方見た。


（挨拶…俺に振らないで…）

ゆっくり俺の前に来る相葉さん。

（まーくん　今日は許す　隠して…）


Ｓ「話しにくいです」
社長「そう？」
Ｏ「そうですよ。ジャニーさんからじゃないと」

兄二人が社長の機嫌を取っている。


社長「わかったよ　じゃ　一言ね」
　マイクをポンっと叩いた。

（はぁ　よかった　今日は一言で十分です）

社長『ジャニーです　今日は『嵐』のコンサートに参加　観覧してくれて　ありがとぅ…』　ﾌﾂｩ
　マイクのスイッチを切る。

（以上？）
顔を上げると翔さんが社長に声をかけていた。

　社長は「はずかしい」と言ってサッと亀梨くんの後ろに隠れる。
　亀が、困った顔をして俺たちを見ている。

（あとよろしく…）




司会「では、嵐のメンバーより代表挨拶をしていただきましょうか？」
　司会者が俺たちに声をかけてきた。

　マイクを持っている翔さんが小さく、手で『集まれ』のアクションをする。

（上座に立って挨拶ですか…）

体の節々がきしむように痛い。


（あー　早くホテル帰りたい…）


上座にたどり着くと　潤くんがマイクを持っていた。


（挨拶　潤くんなのね…）