第70章 打ち上げ会場

相葉視点

　ジャニーさんが小さく咳払いして“社長”の顔になり
「改めて　今日のLIVEよかったよ。さすが僕が選んだ〝嵐〟だ」
　満足そうに笑う。

Ｍ「ありがとうございます！！これからも　精進します」
　直角に頭を下げる潤ちゃん。


　同じタイミングで頭を下げる。


社長「うん　楽しみにしている」
　ジャニーさんの普通の楽しそうなトーンの声が上から聞こえてきた。

チラッと周りを見ると翔ちゃんと目が合った。

（ここに来ているゲストは　俺たちの良くも悪くも内側の人なんだね…）


司会「えー
　　嵐のメンバーが到着されたようなので、ご来席の皆様　一度　こちらの方にご注目　願います」
　司会者の声が聞こえる。

（へー　ちゃんと司会がいるんだぁ）

　ざわざわしていた店内にいた人たちが司会者が立つ方に向く。

司会「それでは、一言お言葉をいただけますか？」
　司会者がマイクをジャニーさんに渡そうと歩いてきた。

社長「え　僕？いいよ！」
　手をブンブン振ってマイクを持たないジャニーさん。

　司会者が困っている。

社長「僕の事なんか聞くより、嵐の誰かが挨拶しないと」
　ジャニーさんが俺たちの方を向く。

（あ！あの顔は『誰を指名しようか』だ）


ゆっくりニノの前に立つ。


（今のニノは挨拶とか無理！俺の方がまだマシ…）


Ｓ「いえいえ　まずはジャニーさんから挨拶を貰わないと、話しにくいです」
　翔ちゃんが丁寧に対応する。

（さすが！！）
心の中で親指を立てて翔ちゃんに贈る。

社長「そう？」
　持ち上げられてまんざらじゃない顔。

Ｏ「そうですよ。ジャニーさんからじゃないと」
　大ちゃんもにこにこ笑顔で　よいしょ　している。

社長「わかったよ　じゃ　一言ね」
　マイクを受け取って　マイクをポンっと叩いた。

（よし　回避！！）

社長『ジャニーです　今日は『嵐』のコンサートに参加　観覧してくれて　ありがとぅ…』
　マイクのスイッチを切って　マイクを翔ちゃんに渡した。


Ｓ「ジャニーさん　もっと！！」
　マイクを渡された翔ちゃんが慌てだす。

社長「やだよ　はずかしい」
　すっと　亀ちゃんの後ろに隠れるジャニーさん。
　とっても困った顔の亀ちゃん。


（ああ　やっぱ　挨拶しないとかぁ…）