第69章 やっぱお着換え

松本視点

　頭を下げている翔さんを置いて　マイペースな大野さんは着替えの服の方に動き出す。


　顔を上げた翔くんは　あー　な表情を一瞬するけど、「それじゃ」両手をもみもみしながら周りを確認している。



Ｓ「智くんが着替えたら出発できるように　ニノの着替え手伝ってくるから　潤　智くんよろしくね」
　人差し指を立てて　大野さんをさす。

「あ　うん
（フリーズ防止だね）任された」

　俺の返事に満足そうな顔した翔くんは「智くん　先行くね」と　軽く手を降って車から出ていく。

Ｏ「ああ」
　大野さんも小さく手を降って応対する。


翔くんの気配が無くなったころ　大野さんの動きが止まっていた。


（ああ　やっぱりフリーズしたね

　また　昔の事　思い出したの？　最近多いね…）



「信じて　あげなよ」
自分の着替えが終わったから大野さんに近づく。


Ｏ「まつ　じゅん」
　心ここにあらずな顔の大野さんが俺を認識する。


（そう　おれだよ）

「翔くんが俺たちの事　大好きだって　わかってるだろ？」

Ｏ「うん　でも　なんか」
　大野さんが不安そうな、今にも泣きそうな顔で俺を見る。

「そんな顔しないでよ　後で　どやされるの俺なんだから！」
大野さんの胸に拳を当てる。


Ｏ「松潤をどやす？誰もできないよ」
　俺の拳をそっと離す。

「ううん　翔さんはやる　（あなたへの失態なら）しっかり（制裁）する！」

Ｏ「翔くんかぁ」
　頬をたたいて気持ちを入れなおす大野さん。


「そうそう　ほら　早く着替えてよ
　ニノも待ってるし　急ごう？」
着替えを指さす。

Ｏ「ああ　今　着替える」
　籠の中の服に急いで着替える大野さん。