第69章 やっぱお着換え
櫻井視点
M「俺が説明するよ!」
潤が近づいてくる。
(いや 潤の説明じゃ このモードは終わらないよ)
O「説明 いい!」
掌を潤に向け行動を止める智くん。
(ほら びしゃっと拒否られた)
O「見たから!」
智くんの口から予想外の言葉が出る。
「見た?」
(え?コンサート中から、知っていたの?
でも そんな 素振りなかった…)
O「うん
頭の中に 音無しだったけど だから説明いい」
目を閉じ 頭を降る智くん。
「そうか(あの態度なら 和也の器の記憶が伝播したってことかな)
じゃ まぁ えーと(どこまで 話そう とりあえず 要点)
ソレ(見た映像)で、(和也の)うつわ 安定のために“枝”を使って準備している」
O「翔くんの枝?」
顔を開けた智くんがまっすぐ俺を見る。
「うん」
大きく頷く。
O「わかった 翔くんの行動に全面的に賛同する」
智くんがいつもの智くんに戻る。
「ありがとう 智くんに賛同もらったら いろいろやりやすい」
O「和也の事 よろしくお願いします」
智くんが頭を下げた。
「かしこまりました」
俺も頭を下げて答える。
頭を上げると智くんが着替えの方を向いていた。
「それじゃ
智くんが着替えたら出発できるように ニノの着替え手伝ってくるから 潤 智くんよろしくね」
俺たち二人を黙って見ていた潤に声をかける。
M「あ うん 任された」
「智くん 先行くね」
軽く手を降る。
O「ああ」
智くんも小さく手を降ってくれた
コンテナから出て移動車に向かって歩く。
夜になって 一般の人が少なくなると 俺の周りに知らない花の精霊が集まってくる。
傍にいる桔梗が睨みをきかすから、話しかけてはこない。
スタッフくんが頭をさけ移動車のドアノブをゆっくり引く。
A「…無理してたら…俺…」
雅紀の声が聞こえた。
(無理して?)
そっと中をうかがう。
和也の頬を摩る雅紀がみえた。
(なーにぃ 良い雰囲気?)
見つめ会う二人。
N「相葉さん…」
(なーんだ 『さん呼び』かぁ…)
和也と雅紀が同じタイミングで俺を見る。
(なんだよ…)「お邪魔かな?」
ゆっくり車の中に入る。