第68章 ヘリから車へ
二宮視点
ヘリコプターが着地点にゆっくり降りはじめる。
(はぁぁ 疲れた)
真ん中席は地面が見えないから、揺れや両サイドの二人の反応で今どこなのか 感じる。
地面についた。
扉を勢いよく開けそうな相葉さん。
(すぐは開きませんよ)
スタッフがヘリの扉を外から開けてくれた。
M「イェーイ 最高だ!!」
潤くんが大きな声を上げて一番にヘリから降りる。
スタッフ「お疲れさまです」
スタッフ達から拍手や歓声が上がっている。
スタッフ「楽しめましたか?」
後部座席を開けてくれたスタッフが相葉さんに話しかけている。
A「すごく よかったぁ!!」
勢いよく出ていく相葉さん。
O「ほんとだねぇ」
ふらふらしながら ついて降りる大野さん。
シートベルトを外して、外に出る。
スタッフ「お疲れ様です お水どうぞ!」
「ありがとうございます」
反射的に受け取ったペットボトル。
(二本もはいっている…)
潤くんが手を上げた状態で待っていた。
「お疲れ!」
俺からハイタッチに行く。
M「おお」
うっ!
ハイタッチの小さな刺激で体中に痛みが走る。
(ここで? マジか…)
A「ニノ!」
相葉さんがハイタッチを求めてきた。
「おう」
しっかり手を取る。
(ぃ…)
カメラがまだ撮影しているし この人にバレルと面倒だから、顔に出ないように耐える。
「水もらったんだけど いる?」
潤くんの方を向いて相葉さんの顔を見ないようにする。
M「いる」
ペットボトルを受け取ってくれた。
(さっきの痛み止め もう 切れた?そんな事ない…大丈夫…大丈夫だよな)
腰をそっと触る。
S「戻らないの?」
翔さんの確認の声が聞こえた。
(戻らない?どこに?)
スタッフ「はい 社長からすぐ来るようにと指示がきています」
(ホテル 帰らないのかぁ 帰りたいのに…)
周りのスタッフがバタバタ動いている。
(無茶ぶり社長の指示は無視できない)
M「急ぎましょ」
潤くんがポンと手を叩く。
S「お待たせしたら 大変だ」
車に向かって走り出す翔さん。
(あ まってよ)
「いきますよぉ」
先を歩いていたはずの相葉さんを追い抜いて車に向かう。
(早く 座らないと… 映像に乗る…と 困る…)