第67章 1日目 コンサート 退場
二宮視点
「もっと アピールする?」
誰に言った言葉じゃなかったけどすぐに 横の翔さんが「しゃぁぁぁ とか?」と返事をくれた。
(しゃぁぁぁ かぁ)
M「うぉぉぉぉ」
O「うぃい!」
前の席の二人がテンション高めな雄たけびを上げる。
(ノリノリだな)
S「しゃぁぁぁ」
翔さんもづづく。
(んじゃ 俺も)
シャカポーズの手を天井にあたるくらい 伸ばす。
イヤモニ「飛び立ちます!」
イヤモニからの指示で外を見る。
外のスタッフたちが離れて、潤くんのモモが傍で浮いた。
よく見るとその背に猴が乗って、手を降っている。
(あいつ また 我がまましたんだな)
フロアカメラが俺たちを映している。
(やべ ヌカれてる)
「It flies.」
左人指し指を伸ばして体裁をとる。
A「イッツ! イッツ!」
相葉くんが俺のノリに合わせてくれた。
ヘリが真っ直ぐ浮上。
外に向かって手を降る潤くん。
体にかかる 浮上のG
A「おお!」
相葉くんが大きな声を出している。
(元気ですねぁ)
上から見る観客席は揺れるペンライトの海
「バイバーイ」
赤いランプがまだついているカメラに手を降る.
M「一日目 終わったね」
A「そうだね たのしかったね」
潤くんのモモが誘導するように前を走るように足を動かして飛んでいる。
(パイロットさんには、見えてないんだろうぁ…)
S「大丈夫か?」
翔さんが耳元で話しかけてくる。
(くすぐったいですよ)
「何がですか?」
翔さんの方を向く。
S「たくっ」
翔さんが少し濡れた俺の頭をわしゃっと撫ぜる。
A「なに?なに?」
狭い真ん中席に寄ってくる相葉くん。
「あんまり動かないでください」
グッと肘を広げる。
A「はいはーい」
M「見えてきたよ」
潤くんが暗がりを指さす。
ハワイの淡い街灯の中 着陸地点の明るいライトが見えてきた。
A「えー もう 着くの?」
S「帰りの方が早い気がするね」
「同じ航路なはずですよ」
A「五人だけの夜間飛行♪もっとしたいね」
ニカッと笑う相葉さん。
「そうですね いいですね」
(誰からも 何からも縛られず こんな気持ちいい 夜空 最高です 最高すぎです)