第66章 嵐 コンサート フィナーレ
櫻井視点
松潤が歌う ニノが歌う 雅紀が歌う
三人の声が会場中に広がっていく。
O『 消えない思い出なら 』
(ああ みんなで歌うって いいねぇ 智くぅん)
『 あの日のまま包み込んで 』
感動にも似た感情があふれて 目頭が熱くなる。
(宴の席の涙は 智くんだけで十分だよね)
強く息を吸って笑顔で掌を広げ逆サイドに行くためターンする。
観客「翔くーーん!!」
ペンライトを降って俺を呼ぶ笑顔たち。
「どうも ありがとおぉ」
歓声に応えられるように、たくさんの笑顔に手を降りながら歩く。
A『 君に もしも 出逢わなければ 』
八重歯が見える笑顔の君
M『 まるで違う世界が 見えていたんだ 』
雨の日 大声で泣いたあの日 抱きしめてくれた腕
『 確かな事があれば 』
N「こっち 見てますよ」
すれ違うニノが笑顔で言う。
コラ っと口を動かす『 キミがいるから 』歌唱しながら歩く。
(たく こんな時に茶化すな… 顔に出てたかな…)
汗をぬぐうテイであごや首を触る。
N『 ここに僕はいるよ 』
(エンジン音が聞こえるな… もうちょっと 盛り上げないと…)
M『 誰よりも君を 』
観客「きゃぁぁぁぁぁ」
『 恋は甘くて苦い 溶けてくような
忘れられない香りばかり
叶わないけど 愛おしい
僕を強くさせる
知りたい
消えない思い出なら あの日のまま包み込んで
君を強く 抱き締めたら 溶けてゆくほど優しく 』
N「ありがとう」
より多く 感謝を表現したくて 手を降る。
(あ 俺の名前だ!)
指だけ動かして笑いかける。
団扇を持った子がピョンピョンしている。
M「ありがとう」
観客「きゃぁぁぁぁぁ」
会場 音楽のボリュームが下がる
O『それでは 皆さん お手を拝借 』
智くんが片腕を広げ、次の曲へと誘う。
『はい』
角からスクリーン前に向かって歩きながら返事をする。
ニノが大きく手を広げ、立ち止まった。
俺も手を伸ばして 立ち止まる。
O『よぉ~ 』
智くんが手拍子のタイミングをとる。
M『 Come on! 』
松潤が外国の人用に合図を送る。
チャチャ チャ チャチャ チャ
手拍子の音が響きだす。