第62章 〜インタビュー映像〜 メインステージの下
松本視点
自分の用意を済ませる。
スタッフ「スタンバイお願いします!」
スタッフ達が次の登場の準備をしている。
足早にニノのスペースに行く。
ニノは衣装に着替えた状態で、整体を受けていた。
「大丈夫?」
頻りのパイプに持たれたまま声をかける。
浜地「時間いっぱい ほぐしておきます」
返事は浜地さんがした。
スタッフ「あと、1分!」
スタッフ「はーい」
(俺はニノの声が聞きたい)
N「そんな 目で見ないでよ」
ニノが見上げている。
(ああ 目線合わせよう)
「ジャンプアップやめる?」
折りたたみ椅子に座る。
スタッフ「失礼します」
スタッフがイヤモニを装備しに来た。
N「大丈夫!大丈夫…」
勢いよく返事をするニノの顔が歪む。
「ホントに いける?」
N「う、うん…」
俺と目を合わさないニノ。
(強がるなよ、演出は変えられるんだ)
「スライドアップでもいいよ」
ニノが顔を上げ、沢山瞬きをしながら、俺を頷いている。
O「スライドにしようよ!」
リーダーが声をかけてきた。
N「いいの?」
不安いっぱいの目をリーダーに向けた。
(たくっ)
「スライドアップ!」
変更を指示する。
スタッフ「スライドアップ?」
近くにいたスタッフがかけてきた。
「うん」
大きく首肯く。
スタッフ「スライドアップ!オッケイ!」
他のスタッフに聞こえるように、復唱する。
立ち上がると俺の髪にスプレーを向けるスタッフ。
「キューは自分たちで出す!」
少しだけ目を閉じ、話をドンドンすすめる。
スタッフ「はーい!」
スタッフたちが慌ただしく動き出す。
ニノの方を向くとスタンバイ始めていた。
「慌てなくていいよ」
スタッフの邪魔にならないように、ニノのスペースから出る。
スタッフ「スライドで行きまーす!」
スタッフ達が復唱していく。
スタッフ「あと、30秒です」
「準備しておいて!」
遠くにいるオレの眷属たちに声をかける。
手を上げて、走って行くスタッフ達。
N「おまたせ」
ニノが出てきた。
「よし、いくぞ!」
大きく手を叩いて“WolfDog”に合図を送る。
N「おう!」
ニノが俺の後ろを着いてくる。