第62章 〜インタビュー映像〜 メインステージの下
松本視点
ステージの裏に出ると ニノが階段を下りている。
(足取り 重いけど 大丈夫そうか…)
犬養「ボス」
犬養の声の方を向く。
犬養がペコっと頭を下げた その後ろに御簾が見える。
(御簾…人に聞かれたくないんだな)
周りを見回し御簾の方に向かう。
犬養「申し訳ありません 急いでおりまして」
「ん いい」
音を立てずに御簾の中に入る。
「で なに?」
橋本「私から報告します」
袍をまとった橋本さんが近づいてきた。
(袍!! オオゴトだな!)
「はい お願いします」
背筋を伸ばして橋本さんの方を向く。
橋本「お気づきと思いますが 二宮さんが負傷しております」
一回頷く。
橋本「我々で 結界の解れを探しましたが ありませんでした」
チラッと犬養を見る。
犬養が頷く。
犬養「ほかのメンバーには影響がありませんので、宮様の怨恨者が 宮様ではなく二宮さんに牙を向けたと 我々は考えております」
ハワイに来て ニノの宮様の行動があまりにも自由過ぎって、色々問題が起こりそうだった。
だから、桟敷間に席を設け お客として、居場所確保したのに、そのせいで、ニノに牙…失敗だった。
橋本「失敗では ありません」
橋本さんが俺の考えている事を読み取る。
「ですが 二宮に害があるなら!」
橋本さんに一歩近づく。
犬養「ボス 落ち着てください」
オレの腕を掴む犬養。
橋本「松本さんが宮様の所在を確保していただいたおかげで、霊的守備を整えれました。
表立って戦闘が起これば、わ…大野さんや櫻井さんが動きます
もっと 面倒なことになります」
「確かに…そうですが ニノに…」
橋本「ステージの上は宴主である 皆さんでバランスをお取りください 後の事は我々で処理いたします」
犬養が大きく頷く。
「わかりました 処理お願いします」
橋本「かしこまりました」
橋本さんが頭を下げたまま後ずさりして 消えて行く。
それと同じくして御簾も上がり 元居た場所になる。
「犬養 ニノのパート 音響補助頼んでおいて」
犬養「はい」
返事を背中で聞いた、自分のスペースに向かう。
(早く 今のニノを確認しないと…)