第60章 嵐　コンサート　後半戦

櫻井視点

ウクレレがリズムを取り　スティールパン　が　ハワイ感を醸し出す。


今回のＢＬＡＳＴはハワイで行う野外コンサート

　ハワイで　ハワイらしい演出をするこの天然バックを背負っての歌唱

〝マイガール〟〝Everything〟を
ハワイバージョンとしてウクレレとスチールパンの柔らかい音に合う様に編曲した。


　智くんと雅紀が歌い出した。
　ニノの声が聞こえる。


『　優しさに触れるトキが　幸せへ導いてゆく　』
潤と一緒に歌い始める。


　俺たちの声が夕暮れのハワイを染めていく。


歌っている　この時間は俺たちの時間

ハワイバージョンのテンポは　心のザワツキをおらやかにしてくれる。


『　ありがとうの　想いを　伝えたいよ　』


（華やかな前半戦の演出とは、違って観客のみなさんが持つペンライトが　青　一色
　って　わけでもないか…）


『　めを閉じれば　キミと過した　あの季節が　』


ハイビスカス柄のムームーを纏った飛天たちが　小ぶりなモンステラの葉を空から蒔きながら飛んでいる。


（モンステラは　ハワイで希望って意味

　ニノが「エキゾチックＪの葉っぱだよ！！」って　結構頑張ってたなぁ

　ふふ　ボツになったも　ちゃんと拾ってもらったんだ…）



　ペンライトが小刻みに揺れる。

（ああ　智くんが手を振っているからか…）



『　変わらずキミは　生きている　』



スティールパン　が〝Everything〟のメロディーを奏で始また。


　　♪　タラリタラ　リィ～ラ


（では、立ちましょうか！）


　　♪　タタ　タァ　リラァ　ラ　　タラリラ　


Ａ　ラ　タタぁ　
　木箱から立ち上がた　雅紀が音程を口ずさむ。


（ふぅう　歌いますよ　夜に集う方々に届くように）


『　通り雨が　近づく…　』
　五人の声を揃えて歌い出す。