第6章 通常運転です

大野視点

Ａ「えー　甘々カフェオレ飲んで、朝からやる気満々なんでしょ？」
　相葉ちゃんが抱きついて持っているマグカップを覗き込む。

（これ　俺の…）

Ｍ「お！今日の取材は　期待できますか？」
　ほっほぉぉっとワザと大きく口を動かす松潤。

（なんだよ　その反応…）


Ｎ「そうなのよ！　コメントバンバン言うんだって」
　ニヤっと笑うニノ。


「え？（普通に戻ってる？　コメント？）いゃ…（それは）ほどほど…でぇ」



Ｎ「さっき『糖分取ってヤル』って言ったじゃん？アレは嘘ぉ？」
　ジトォォーーと見つめてくるニノ。


「嘘じゃ」
（どうしよう…こいつの行動が　読めない…）



　　パンパン

手を叩く大きな音がした。


　音の方を向くと　片方の眉を下げている翔くんがいる。




Ｓ「ニノ　コメントの割り振り　できた？」
　翔くんの仕事モードの声が部屋に広がる。


Ｎ「あ！はい」
　ニノが急いでパソコンを開く。


（話を立ち切ったの？）


Ｍ「コメントの割り振り？」
　松潤がパソコンを見ようとニノの隣に座る。

Ｎ「うー　朝ね　メールが来てて…」
　画面の角度を変えるニノ。


（仕事　始まった…）


Ｓ「コレ雅紀の分」
Ａ「ありがとう♪」
　翔くんが相葉ちゃんにコーヒーを勧めている。


（あれ？　翔くんは仕事しないの？）

Ｓ「お代わりは？」
　翔くんが普通の顔して、ニノの後ろに立つ。

Ｎ「お願いします」
　カップを持ち上げるニノ。

　翔くんがニノのカップを持ってキッチンに向かう。



（おれ…は…　どうしたらいいんだろう…）



　翔くんの手がヒラヒラ動いている。


（来て…　かなぁ）

　

キッチンに入ると、翔くんがコーヒーメーカーの前にいた。


（どうしよう　勝手に来ちゃったけど…）



急に翔くんが振り向いて「朝から、災難だったね」と言った。


「あーうん。でも、おいらの不注意だし…」


Ｓ「そうね」
　少し首を傾け見つめてくる穏やかな翔くん。






何も言わない　翔くん　だから　俺も何も言わない



側から見れば　ものすごい　変な　時間


でも　俺の中のヤツには　ものすごく　重要で穏やかな時間…