第49章 嵐 コンサート 起動!!
藤渕視点
『 ヘリコプター離陸しました 』
イヤモニから離陸の報告がきた。
会場にオープニング映像と音楽が流れる。
ステージ一番後ろから客席を見下ろしながら全体を見るのが私の今日の任務。
地上にいない私の事は、事務所関係の人には挨拶を済ませたから、問題ないはず…
特別席に座る ジャニー社長が私の方を向いて片手を上げた。
慌てて頭を下げる。
(ひー
この距離で 私が見えるとは… さすが ジャニー様)
両脇に控える KAT-TUNの亀梨と関ジャニ∞の大倉
(二人は みえてないな…)
黒いヘリが近づいてきた。
その周りに沢山の輝きが追随する
(煌びやかだな… 沢山の護符を纏って登場とわなぁ…)
“OK. This is ARASHI. 15th Anniversary.”
メインステージスクリーンに五人の今が映し出される。
会場が歓声で一気に温度が上がる。
それは 客席の人だけではなかった。
海 空 森 あらゆる角度から ヤンゴトナキお方の好意とイタズラ心がヒシヒシ伝わって来る。
≪ harahetamehi kiyometamehe kannnagara mamoritamehe sakiwahetamahe ≫
-祓へ給ひ、清め給へ、神ながら守りたまへ、幸ひ給へ-
大きく手を広げ 胸の前で手を重ね 片膝を下げ 中腰になる
下位の私が できるのは 祝詞を発し願い奉るのみ
サッと甘い花の香りが通り過ぎる。
『 ヘリコプター着陸しました 』
イヤモニから着陸の報告がきた。
ゆっくり顔を上げると 即席ポートの上に立つ五人の姿が見えた。
(無事 地上に降りましたね…)
松本が区切りの“ダン”のタイミングが気持ちよく指を動かしている。
(ン よし 乗ってる いいぞ)
次の刻みに入る “ARE YOU READY?"
その音を聞きながら、五人がセットに向かって歩き出した。
体制を戻し 周りを確認する。
今まで感じでいた お力の揺らぎは落ち着き 穏やかになっていた。
(よし 問題ないな)