第46章 本番一日目の朝
大野視点
『帰りたい』そんな言葉を口にしたら 翔くんがバタバタ片づけはしめ、ホテルに帰ってきてしまった。
翔くんはもっと松潤と話がしたかったんだろう
何度も『食事しろ』と念押ししていた。
翔くんの圧にたじろぎながら『わかりました』という松潤
くくっ あの 松潤の顔 写真に撮っておきたかった…
いつからベランダにいたんだろう 空が白んできた。
はー もう 朝か…
こんな冷えた体でみんなにあったら 何言われるか分かんない
帰りたいって思ったのは、本音だった
でも、あんなにバタバタとホテルに帰ってきて
あんなにあっさり 部屋に押し込まれて、『じゃ また明日!』って笑顔で閉められたら、 もっと 一緒に… なんて言えないよ
・・・・ ぉは ぁぁ
部屋の方から声が聞こえる。
あの声は 相葉ちゃん? もう 起きたの? じゃ 俺も合流しよう
どうせ、リハで汗かくから 服はTシャツでいいかなぁ
あ シャワーは、していこう。
身支度を済ませ、みんなの集合場所の部屋に向かう。
「おはよう」
扉を開けながら言う。
A「大ちゃん おはよう」
ものすごいテンションの高い相葉ちゃんが走って来た。
「おっ おお」
A「コーヒー飲む?」
キラキラした目の相葉ちゃん。
「うっうん」
頷く。
A「ホット?アイス?」
「じゃ ホット…」
A「オッケー」
指で丸を作って奥に走って行く。
松潤とパソコンの前にいるニノがアイスコーヒーを飲んでいる。
アイスの方が良かったかなぁ
部屋の隅の椅子に座って相葉ちゃんを待つことにした。
N「翔さんが来るまでに ちゃんと 声を出せるようにしててください」
ニノが横に座った。
「声って さっき相葉ちゃんと話したぞ」
N「無自覚ですか…はー 潤くんを呼んでみてください」
「呼べって… 松潤」
パソコンの前に座った松潤の背中が動かない。
「あれ?」
N「ね 声になってないんだよ 今日本番なんだから 意識して!」
「あぁ ああ わかったよ」
ゆっくり立ち上がって松潤の側に行く。
「おはよう 松潤 今日もよろしくな」
M「んー うん よろしく」
ニカッと笑う松潤。