第44章 通しリハ

櫻井視点

ヘリに乗り込むためバックの階段を下り、絨毯を歩く俺たち

「ここは　少しテンションアゲアゲでも良いんだよね？」
横を歩くニノに確認する。

Ｎ「特にＪの指示は無かったと思いますよ？」


ｽﾀｯﾌ「ここにヘリが待機しています」
　立ち位置を示す。


（今は　いないけど…）
「乗り込みます！」
手を上げ後部座席がある辺りに立つ。

　ニノがすぐ横に来る。その前に智くん。ニノの横に雅紀が立つ。

　スタッフが扉を閉めるフリをする。


ｽﾀｯﾌﾏｲｸ　『嵐　テイクオフです』
　　スタッフがマイクを通して宣言する。



Ｍ　『ＯＫです』　
　潤の声が聞こえた。

ｽﾀｯﾌ「ＯＫです」
　スタッフの復唱で大きく拍手がおこた。


　横のニノが小さく息を吐く。

　密着のカメラが集まって来た。


Ｎ「お疲れでした」
Ｏ「お疲れっした」
　ニノと智くんが顔を見合わせて労っている所を密着カメラが映している。


彼方此方から「お疲れ」の声が飛びかう。

Ａ「お疲れっした～」



ｽﾀｯﾌ「本日リハーサルは、これをもって終了です。現地スタッフの方々疲れ様でした」
　スタッフの呼びかけに、現地ｽﾀｯﾌの人達が頭を下げた。



俺も敬意をこめて拍手と両親指を立てる。



Ａ「ナイス・ファイト！」
　大きく手を伸ばして手を振る雅紀。


　吉桜がカメラを持ってない方で親指を立て口を大きく開けている。

（はいはい　笑顔だね）
吉桜にもｇｏｏｄのサインを送る。


カメラマン「皆さんの意気込みを一言もらいたいです」
　カメラが雅紀の方に向く。


（雅紀からなのね…）

Ａ「一言？　そうだな…」
　雅紀が話し始める。

　ニノが何も言わず俺の方に歩いてくる。

少し動くと、俺を追い抜いてはしに立つ。


（この順でやるのね　はいはい…）


Ａ「楽しみです」
　カメラにペコっと頭を下げる雅紀。

カメラマン「ありがとうございました　では　次　大野さん」
　カメラのレンズが智くんの方を向く。


Ｏ「俺？じゃぁ」
　智くんが俺の方に寄って来た。


（ちょっと　俺　入るじゃん！！）
慌てて屈む。

Ｏ「晴れたらいいっすね　本当に！
　　ここまで雨降ったから　晴れると思いますよ　楽しみます」
　いたって普通のコメントをする智くん。


（え？終わり？）