第44章 通しリハ

二宮視点

　俺たちを誘導するスタッフの後ろを歩く。

Ｓ「ここは　少しテンションアゲアゲでも良いんだよね？」

「特にＪの指示は無かったと思いますよ？」
翔さんが質問してきたから返事をする。


ｽﾀｯﾌ「ここにヘリが待機しています」

（ここに来た時にはエンジンがかかっていた方が良いね…）


Ｓ「乗り込みます！」
　翔さんが手を上げ後部座席がある辺りに立つ。

すぐ横に立つと　大野さんがジーッと見つめながら近づいて来る。


（なっに…よ…）

相葉さんが近づいてきたら、大野さんは何も言わず背を向ける。


（背中がこわいって　どうゆう事よ…）


　スタッフが扉を閉めるフリをする。


なぜか、相葉さんが寄って来た。


（もっ　なに　扉なんかないでしょ…）


ｽﾀｯﾌﾏｲｸ　『嵐　テイクオフです』
　　スタッフがマイクを通して宣言する。


肩を揺らす相葉さん。


（ははっ　飛び立ったのね…）



Ｍ『ＯＫです』
　潤くんの声が聞こえる。

ｽﾀｯﾌ「ＯＫです」
　スタッフが大きな声が背後から聞こえる。


（はぁ　乗り込みＯＫ…）

　大野さんがゆっくり体をこちらに向けてきた。



（さっきの行動が気になる）

少し顔を覗き込むように「お疲れでした」と声をかける。


Ｏ「お疲れっした」
　少し疲れ気味の顔で軽く返事をくれた。


（よかった　何事でもなくようだ…）


彼方此方から「お疲れ」の声が飛び交う。

Ａ「お疲れっした～」
　バカに元気なノッポが笑顔を振りまいている。


≪理解者たち結界の維持管理頼んだぞ≫


ｽﾀｯﾌ「　…て終了です　現地スタッフの方々疲れ様でした」
　ｽﾀｯﾌの人達が頭を下げた。


感謝の拍手と手を振って見送る。

Ａ「ナイス・ファイト！」
　マー君が和製英語を口にする。


「こういう時は、違うんじゃない？」
（ファイトって　戦え　だろ？）

Ａ「え？どうなの？」
　勢いよく振り向くマー君。

「たぶん…」（急に言われると出てこないけど…）


カメラマン「皆さんの意気込みを一言もらいたいです」
　カメラが近づいてきた。


Ａ「一言？　そうだなぁ…」
　カメラに向かってコメントするマー君。


（お！ナイスタイミング　この話　終わらそう）
そうっとマー君から一番離れた翔さんの方に移動する。