第44章 通しリハ
大野視点
Everything ハワイバージョン歌いながら 沈みゆく空と海の色を見ている。
綺麗だ
同じように日本でも 沈む夕日は見た事がある
今 ここに居る 四人と…
そう あの 懐かしい山…
最近 目で見ている映像と違う映像が見える。
ちゃんと 体は動く。
ちゃんと 口も動くし 他の人の声も聞こえる 話せる。
なのに、別の映像が俺の頭の中を駆け抜けている。
その 映像は 幸せな物や つらいモノ…がある
M『映像入ります メンバー着替えです』
イヤモニから松潤の声が聞こえてきた。
(やばい… ちゃんとリハしないと… ファンの子に失礼だ…)
「ふぅ」
一つ息を吐く。
「何か飲まないと… 喉…やられるな…
次は モンスタ―で それから踊ってるし…」
フラフラ自分のブースに歩いて行く。
浜地「お疲れ様です」
浜ちゃんがニコニコ近づいてきた。
「っ疲れ…」
小さく頭を動かしと自分のブースに入る。
ブースに入ると今 着ている衣装から 次の衣装に着替える。
橋本「お飲み物です」
湯呑を差し出す橋本。
「水がいい…」
湯呑を軽く押し返す。
橋本「適温の薬湯ですので ご安心ください」
引かない橋本。
(飲め…なのね…)
仕方なく受け取り一口飲む。
(はー まずいって これ…)
スタッフ「メンバーの皆さん集まってください」
スタッフがみんなを呼ぶ声。
呼ぶ方に体を向ける。
コンサートスタッフが 今からの段取りを話始めた。
俺の向かいに 翔くんが立っている。
(翔くん…)
マネジャーの子が頬を膨らませた。
翔くんが困った顔で何かを呟いている。
(胸の中が モヤモヤする…)
N「🎶やさしさに触れつトキが…」
ニノが柱に寄り掛かって歌い出した。
A「今から歌うのって“モンスター”だよ?」
相葉ちゃんが不思議そうな顔で言う。
二人が俺の前でガヤガヤしいる。
二人の声で胸のモヤモヤが薄れていく。
Mモニ『おまたせ!!メンバー台の所でスタンバって!!』
松潤の声がイヤモニから聞こえた。
S「行きましょっか!」
翔くんが動き出す。
(うん いこう みんなで…)