第42章 できる所　だけでもやろう

松本視点

ｽﾀｯﾌ「お疲れ様です」
　スタッフが部屋に入って来た。

メンバーみんながスタッフの方を向く。


ｽﾀｯﾌ「お待たせしました
　　雨の影響を受けにくいように　機材を調整しましたので　引きつづきリハーサルを行います」

Ａ「あ　ホント！カッパもできたんだ」
　スタッフにカッパらしき物を見せる相葉くん。

ｽﾀｯﾌ「ここでもドットコムですか？」

Ａ「おおよ　俺の才能だから」
　コメカミをトントンしている相葉くん。

　その行動を見て　笑うリーダーと翔くん。


ニノから念写で貰った情報で思い出す。

　　名古屋ドームの翔くんの怪我…大野さんの暴走…

（くっ　思い出しただけで自分の非力を痛感するわぁ…）


Ｓ「ん？どした？」
　翔くんが俺の方を向く。

「ん…雨の所為で調子狂うからさ…」
大きなため息を打って誤魔化す。

Ｓ「調子って体か？」
　心配そうな目で俺を見つめる

（心配されちゃ意味ねーんだけど）
「違うよ　リハ　リハで確認したい事ができないからさ…」


Ｏ「日本で結構つめてきたんだ　大丈夫だよ」
Ａ「そうそう」

Ｎ「来る時　ゴタゴタした二人に言われたら安心ですね　潤くん」
　皮肉たっぷりに言うニノ。


（俺　それ知らねーんだけど…）


Ｏ「その節はご心配をおかけしました」
Ａ「しました」
　二人が折り目正しく頭を下げる。


外を見る　雨は降り止んだみたいたった。

（モモは何も言わなかった…
　真っ先にテレパが来るはずなのに…

　いや　今　進行形で攻防しているのか…　どっちにしても…）


　ペコペコ謝る二人と頬を膨らますニノの間で仲を取っている翔くん。

（この四人を　こんどこそ　俺が守らなきゃ…）


Ｎ「分かればヨロシイ」
　なぜか胸を張っているニノ。


（アレはニノなりの、場の落としどころなのかぁ…）



「じゃ　できる所だけでもやろう！」
気合いを込めて声を出す。


Ｎ「やりましょぉ」
　顔をパンパンっと叩くニノ。


Ｏ「おお」
　少し間の抜けた声のリーダー。


Ａ「やるよ」
　やる気のある声を出す相葉くん。


Ｓ「ですね」
　翔くんが笑った。


　　　　リハーサルを再開する為にコンテナを出る。