第36章 誰の為に作ってるの?
相葉視点
「わざわざ(あいつ)だけには作らないけど…ついでだよ」
洗い上げしている日翅ちゃんの方を指さす。
N「ふーん」
唇を尖らせ顎が上がるニノ。
(なんだよ 『ふーん』って…どうゆう意味だよ…
もしかして…ニノってさ 日翅のこと嫌いなのかな?
何か付けて、面白くない顔する…気がする)
本郷「僕の分まで作ってるんですか?いいですよ?僕らは…」
洗い終わった日翅ちゃんがテーブルに近づいてきた。
(僕らは?なに言って…)
N「いいじゃん!」
とびっきりの笑顔で迎えるニノ。
(え?いいの?)
N「相葉さんの愛情はちゃんと”もらえる時”にもらっときなよ。いつも大変なんだから!」
ニヤッと笑うニノ。
本郷「それもそうですね さすが二宮さんよくわかってますね」
さっきまでの恐縮な顔から剽軽な顔になる日翅。
N「長いからね…いろんな事あったよぉ」
遠い目をするニノ。
本郷「お察しします」
掌を目の下に当てて涙を拭く真似をする日翅。
「なんだよ【いつも大変】って、俺が問題児みたいじゃないか。侵害だな」
ムッとしたから、ニノが手伝ってくれてたテープを張りを取り上げる。
N「あなたは、いろんな意味で問題児ですよ…」
いつものニノの声。
「え?そうなの?」
顔を上げる。
無自覚ですか?とばかりな顔で俺を見ているニノ。
(どぉ どこ? どこが問題!!)
N「っっっつ」
ニノがものすごく顔をする。
(なんで そんなに顔するのよぉ)
N「ちっ ちけぇっよっ」
ニノが側にあったガムテープで小突く。
「ッ痛い!何にするんだよ!」
小突かれた所を触りながらニノを見る。
フンっと顔を背けるニノ。
(あれ? マジ怒り?)
本郷「ははははは お二人とも面白すぎ!!」
日翅ちゃんが大声で笑い出した。
N「さっさと 作って仕事に戻るぞ」
ドカッと座り直すニノ。
「あっ えーっと…」
N「ほら!」
手招きするニノ。
「あぁ はい…」
(なんだか… 話 切られた気がする…)