第27章 専属 内を外を
橋本視点
なかなか大野さんと櫻井さんが入ってこない。
(何をなさっているんでしょう…)
コンテナの中から外をみる。
コンテナの下でお二人が立ち話をしている。
(雨が降って 体が濡れているというのに…)
「お二人 中に入ってください」
少し強めに二人を呼ぶ。
私の方を なんだよ とばかりに、じとっ見ている大野さん。
(そんな目で見てもダメです)
櫻井さんに耳打ちする大野さん。
肩を揺らす櫻井さん。
(まったく、ご自身の体をなんだと思って…)
もう一言二言言うつもりで体を動かす
S「お疲れ様です」
O「…さまです」
二人が小さく頭を動かしながら入ってきた。
本郷「お疲れ様です。着替えとタオルです」
本郷が二人を迎える。
カーテンの中にいる二宮さん。
お二人に話しかける相葉さん。
お一人で水を注ぐ松本さん。
(五人陣の中央に入られた 中のことは、本郷に任せて…)
あえて言葉を使わず外に出る。
空の色があまり良くない。
(始まりの地… 新たな節目… 良き日にしたい)
吉桜「お疲れ様です」
元気な声で挨拶してくる吉桜。
その横に浜地も一緒に立っていた。
「飲み物か… みんな中にいるぞ」
吉桜「了解です」
トレイを持って軽快に駆け上がって行く吉桜。
浜地「ふふ 珍しい生き物を見るような目で見ないで上げてください」
「ん?(珍しい?)そんなつもりではないが…」
浜地「いいんですよ 我々だって ハジメの時はあーだったんですから…」
「ハジメか…お前は同じ名であったな?」
浜地「ええ“名”でした… お茶が冷めますから またにしましょう」
口角を上げながらコンテナに入って行く浜地。
(たしかに…長くなった…
幾度と回る輪廻のなか…お前とはいつも好敵手で良き理解者ある)
犬養「橋本さん 皆さんは中ですか?」
犬養が両腕に何か抱えて走って来た。
「ああ 中にいる 俺以外のマネもいるぞ」
犬養「ありがとうございます」
軽快に駆け上がる犬養。
(… 若さなのか… 少し鍛えるかぁ…)