第25章 専属は 簡易キッチンで
浜地視点
(まずは皆さんのティーセットを用意しましょう)
四角い鞄を開いて、一枚の無地ソーサーを出す。
(絵柄は…プルメリア…アンスリウムも捨てがたいですね…)
掌を動かすたびソーサーの絵柄が変わる。
(緑と黄色のコントラスのバードオブパラダイスにしましょう
この意味は、二宮さんならわかるはず…ふふ)
あまり広くないスペースで新人の吉桜くんはオタオタ…シュンっとしていた。
(ああぁ)
「吉桜くん 邪魔とは思ってませんよ」
今にも泣きそうな吉桜くんに声をかける。
目を見開いて口を押える吉桜くん。
「ふふ
五人には、先に着替えていただくので 各椅子にタオルを大小一つずつ置いておいてください」
ツアーグッズの入った籠を指さす。
吉桜「はい 準備します」
ピシッと背筋を伸ばして動き出す吉桜くん。
(よろしくです…)
スタッフ『すみません 機材チェックします お時間ください』
運営スタッフから 全体連絡が入る。
吉桜「不具合でしょうか?」
「なんでしょうね…」
M『俺たち着替えしまーす』
マイクを通して、休憩を宣言する松本さん。
「吉桜くん『お出迎え』をお願いしていいですか?」
吉桜「はい」
メインステージを通って こちらに向かって歩いて行く松本さんが見える。
(体調面の問題はなさそうですね…)
松本さんの後ろをゆっくり歩いて来る二宮さんが見える。
(おや おや 体を温めた方が良いですね…)
「お疲れ様です」
歩いて来る二人に近づく。
「お茶とお菓子を用意しています」
ペコっと頭を動かして、そのままコンテナに向かう松本さん。
N「ホットのミルクティーがいいな」
ボソッと飲みたい物をリクエストする二宮さん。
「かしこまりました」
(甘めに作りましょう…)
A「俺もいい?」
相葉くんが駆け寄って来た。
「相葉くんもですね 了解です」
N「本郷君に言えばいいのに…」
小言を言う二宮さん。
(また そんな小言を…)