第22章 確認していこう!!
櫻井視点
雨に濡れ下を向いているスタッフたち
(テンション下がってるねー)
N『 ARASI ARASI 』
A「アラシぃ アラシぃ」
『ALOHA』
(元気になれ~)
ニノがクスッと笑う。
へへっと笑って次の立ち位置に移動する。
M『 あー切ない 想いは過ぎてくぅ 』
O『うぅいぇええ』
M『 あー 今なら全て伝えるよ 』
大粒の雨が落ちてきた。
(また降り出した…)
イヤモニ「せり上がり 準備出来ました」
イヤモニからスタッフの声。
M『ヤル! ピカンチ!』
いきなりの潤のマイク声。
イヤモニ「了解です」
M「ごめん 段取り変える!」
顔を上げ俺たちの方を見る潤。
(聞こえてるよ!)
手を上げる了解を伝える。
急ぎ足で中央に向かう潤。
中央にはスタッフが待っている。
スタッフ「立ち位置はココからです」
マーキングを指さすスタッフ。
それぞれの立ち位置を確認すると〝ピカンチ〟のイントロが流れ、前半の見せ場のダンスが始める。
(足元滑りそうだぁ)
スタッフ「セリ上がりまーす」
ステージ下から声がすると、足元が動きはしめる。
(カッコよく決めなきゃ!!)
タイミングを取って『 メロディのない歌があるんだ 』
意識して低音で歌い出した。
M『 どうやって 君に伝えればいい 』
『 モラルのないハナシがあるんだ 』
N『 どうやって 君に伝えればいい 』
『 Safety World Safety Worlds 』
M『 Safety Worlds 』
『 時限装置ならとっくに り あ゛ぁ」
一気に振って来た雨が口に入った。
O「大丈夫?」
智くんが俺の側に来る。
「うん ちょっと雨にビックリした ぅんっ だけだから ぅんっ」
何回か咳きをして歌い出しのタイミングまで息を整える。
曲はそのまま流れ ニノはチラチラ見ながらダンスを続けている。
(リハで よかった… こんな所でとちりたくなーい)
M『 何もない場所から 』
A『 何もない今日から 』
歌いながら俺を見ている二人。
(ごめんね もう大丈夫…)
両手を合わせる。