第20章 確認と確定はみんなで
松本視点
S「何が引っかかるんだ?」
翔くんが俺とニノを交互に見ながら聞いてきた。
「降りてからのタイムがねぇ 少し気になって」
S「あぁタイムね わかるわかる」
翔くんがうなずく。
「結構 音楽の尺が短いから
あれくらいのスピード感でいくか
もうちょい前から ゆっくり降りて、ゆっくり降りて
そして、最後にラインなっていくのも…」
人の動きを手や指で表現している。
S「そしたら もうちょい 早く出てもよかった?」
翔くんが俺を見つめる。
(いや…翔くんが じゃねーと思うけど)
N「撮っている
映像で確認しながらの方が 詰めやすくない?」
側に立つ密着のカメラを指差してニノが言う。
翔くんが「確かに」と言って手を叩く。
「映像!みんなで見るから用意して!!」
スタッフに声をかける。
スタッフ「はい」
ブースに走って行くスタッフ。
「翔くん ブースに行こう!」
翔くんに声をかけてブースの方に向かう。
ブースに着くとスタッフが準備していた。
「ごめんね、さっきの映像並列で見せて」
スタッフ「画面小さいですけど」
映像はみんなを正面から写っている物と、メインスクリーンに映像加工された物
「これが登場の映像…これに合わせていきたいから」
S「うん」
ヘリから降りきったメンバーがラインに立つ映像と並走させる。
スタッフ「ここで、“ARE YOU READY?” 動きだす。メンバーのアップと進みます」
(うーん やっぱり少しズレてる
相葉くんの立ち位置を替えれば…あ、まだ来てない)
「ねー 相葉くん 呼んできてくれる?」
後ろの方にいた本郷君に声をかける。
本郷「呼んできます!」
本郷君が走ってブースから出て行く。
「降りてからのと… 歩き出しの…」
A「おまたせ!」
相葉くんが元気よく飛び込んできた。
(きたきた!)
「さっきさ 降りて、何歩でこの位置に行った?」
一時停止のモニターを指差す。
A「いきなりだね…」
回りのスタッフに頭を下げなから近づいてくる。
(時間もったいない!!)
A「うーん?五歩は歩いてないと思うけどよ?」
小さいモニターを覗きこむ相葉くん。
「そうか…」