第106章 挨拶をする大野の周り

二宮視点

大野さんの背中を押してステージ中央に向かう。


｛皆さま　しばし　こちらへお心を向けていただけますか？｝
　カハラ様の呼びかけに、談笑している精霊様が一斉に舞台を見る。


「じゃ、バシッと決めてください」
大野さんの背中をポンっと押す。


Ｏ「おぅ」
　ふうと息を吐いてキリッとした顔で一歩前に進む。


俺はそっと袖に下がる。


Ｏ『えー
　　我々　人の子『嵐』の１５年と言う節目を祝い、このような宴の席を頂戴しまして、御礼申し上げます。
　　ありがとうございます』
　頭を下げる大野さん。


（お！　いい感じじゃないですか🎵）



Ｏ『嵐のリーダーをさせてもらってる僕が、代表として、挨拶をします』

　一呼吸置く大野さん。

（まさか…今考えてますか？）

Ｏ『僕らは、ここハワイの地で　嵐として立ちあがりました

　　それは、決して、望んだモノではありませんでした。

　　中途半端な気持ちで、始まったと言っても、間違いではありません。

　　そのため、たくさんの、本当に沢山の叱咤激励がありました。』


（そうですね…　大野さんは色々ありましたものね…）

　翔さんが潤くんを見る。
　潤くんが頷き動き出す。


（何か感じてるんですね…）

俺も潤くんについて動く。


Ｏ『それでも、我々は、我々の信じた方に進みました。』


　マー君も付いてきた。


　大野さんが俺らの動きに気づいて少し笑った。


Ｏ『で！ここにいます！』
　大きく手を広げてる大野さん。

　笑顔で翔さんを手招きする。

　照れながら大野さんの横に立つ翔さん。



Ｏ『この〝嵐〟は　たくさんの愛で…　沢山の奇跡を集めた結晶なんです

　　虹の精霊イーリス様より　いただいた言葉の中に
≪十五年の年月は　人の営みでは　童より人に成長する≫
　　と、ありました。

　　器の年齢は三十年を超えてる　おじさんですが』


Ｓ「こらこら」
　おじさんに反応する翔さん。

（今日はソコいいでしょ？　もう癖になってるの？）


Ｏ『〝嵐〟としては、やっと、仕事が回せる地位に立ちました。

　再び、呼吸を整える大野さん。

Ｏ『人の時間は儚いものです。でも、だから、愛おしい
　　嵐として立つことが出来た　これからの歩(あゆみ)を
　　どうか　見守ってください　導いてください』