第98章 魂の宴 程よい情報で
大野視点
『どこから聞きたい?』って聞いたら期待と不安な目をしながら「教えてくれるなら 全部」と答える翔くん。
(本当に、全部知りたいんだね…昔と変わらない…)
「さっきね 松潤が映像起動してくれてね」
S「3D?」
眉を少しだけ動かして、おいらを見る翔くん。
(せっかちだなぁ)「うん」
右手の三本を広げて見せる。
おいらの手の動きを見て、小さく首肯く翔くん。
「でも イメージだからね簡単なものだよ?」
クスッと笑う。
(おいらには松潤みたいにデホルメできないもんな…)
S「ふーん で?」
話の続きを求める少しブラックな翔くん。
(わぁぁ その顔を俺に向けるぅ?)
「でって それだけだよ?」
(ブラックな翔くんなんか、まともに相手したら、命いくつあってもたんねーよ)
相葉ちゃんの方を向くと、ポカンと口を開けてこっちを見ている相葉ちゃんと目があった。
「ね?まーくん?」
え?何?見たいな顔する相葉ちゃん。
(おい 俺に合わせろよ!)
ね っと口を動かす。
A「う、うん」
小さく頷く相葉ちゃん。
(おし!)
S「なーんだ また 俺の姿を勝手に使って遊んでたのかと思った」
ぐーっと両手を伸ばして、普通の翔くんに戻っていく。
A「え!」
急に大声をあげる相葉ちゃん。
(あ!)
S「ん?違うの?智くんの挨拶のイメージでしょ?」
相葉くんに詰め寄る翔くん。
A「あーーうん そうだねぇ」
相葉くんが翔くんの圧に圧倒されてキョロキョロ周りを見回オロオロしだした。
翔くんにやーな感じのオーラを纏いだす。
(もう!)
「ね 翔くん?」
質問のトーンで翔くんに声を掛ける。
S「はい 何ですか?」
すぐさま反応する翔くん
「そろそろ ニノの所行きたいな?」
わざと足元を見ている。
(こうすると、翔くんの思考が俺に向くよね?)
S「はいはい 行きましょう」
翔くんの手が背中に回ってきた。
顔を上げると、真っ直ぐ俺を見る翔くんの顔がある。
「ふふん 行こうね」
一歩足を動かす。
相葉ちゃんの動く気配を感じない。
「相葉ちゃん?」
遠い目の彼が立っている。
「行くよ?」
声を掛けると「いきますぅぅー」めっちゃ元気な声をあげて、相葉ちゃんが飛んできた。