第96章 その行動が怪しいんだよ
櫻井視点
A「助けて大ちゃん」
智くんの背中に逃げ込んだ雅紀。
智くんが優しい声で「翔くんは怒ってないよ?」と太ももをポンポンと叩いている。
A「わかってるけど…」
体を小さくして智くんの後ろに隠れる雅紀。
「おいおい、なんでおれが悪者になるのさ?」
人差し指を胸にあて智くんにアピールする。
O「もう…」
智くんがヤレヤレとため息交じりの声を出す。
(え…ため息…マジな方かなぁ)
「ねー(智くん)今の俺ってぇ悪者?」
(そうなら 改善します…)
O「ううん 悪くないよ?」
苦笑の顔で数回顔を横に振る。
(よかった…智くんに嫌われたら、立ち直れない…)
O「相葉ちゃんもほら 顔出して…」
雅紀の太ももをポンっと一回叩かれた。
モゾモゾ動いている雅紀。
「状況だけでも、知りたいんだけど」(いいかな?)
O「んー どこから聞きたい?」
少し首を傾げた智くん。
「教えてくれるなら 全部」(は、図々しいかぁ…)
O「さっきね 松潤が映像起動してくれてね」
思い出して話してくれる智くん。
「3D?」
O「うん でもイメージだからね簡単なものだよ?」
クスッと笑う智くん。
「ふーん で?」
O「でって それだけだよ?ね?まーくん?」
雅紀の方を向く智くん。
A「う、うん」
小さく頷く雅紀。
「なーんだ また 俺の姿を勝手に使って遊んでたのかと思った」
A「え!」
急に大声をあげる雅紀。
「ん?違うの?智くんの挨拶のイメージでしょ?」
A「あーーうんそうだねぇ」
キョロキョロ周りを見回す雅紀。
(まだ ツッコミ要素ありなのか?)
O「ね 翔くん?」
智くんが質問のトーンで声を掛けてきた。
「はい 何ですか?」
O「そろそろ ニノの所行きたいな?」
足元を見ている智くん。
(わ!この話つまんないんだ!)
「はいはい 行きましょう」
(せっかくココに来てるんだ。楽しい気持ちでいてほしい)
智くんの背中に手を回す。
O「ふふん 行こうね」
智くんがニコッと笑って俺を見る。
(俺はこの笑顔のために生きているんだ)
O「相葉ちゃん?行くよ」
A「いきますぅぅー」
めっちゃ元気になった雅紀が飛んできた。