第92章 ちょっと…

大野視点

Ｓ「よし！やる人決定したから　俺、準備してくる」
　翔くんが乙女が座する方に動きだす。

Ｎ「あ！私も行きます」
　ニノも翔くんの動きに同調する。


（いきなり？もう挨拶するの？練習ナシ？）

俺の質問を感じたのか、翔くんがクルッと上半身を向ける。


Ｓ「じゃ、智くん。準備しててね🎵」
　翔くんが親指と人差し指を伸ばしてニカッと笑った。


俺の大好きな笑顔。
（この笑顔があったから…）

一瞬、頭の中に広がる、嫌な映像



「あ、うん」
急いで、普通に返事をする。



　翔くんはふふっと笑って歩いて行く。


俺は翔くんの後姿をみて思った


（おいらは　この人の笑顔を奪ってはいけない…）


Ａ「おおちゃぁぁん」
　相葉ちゃんの声が聞こえた。

「わぁ」
ものすごい締め付けが体を包み込む。



Ｓ「ニノぉ行くよ！」
　翔くんの声が少し遠くで聞こえる。

Ｎ「はい」
　小走りで翔くんの所に走っていくニノが見えた。


（あぁ　行っちゃう…）



Ａ「もうぉ　かわぁうぃいい」
　力いっぱいおいらに抱き付いている相葉ちゃんが、頬をスリスリしながらキラキラオーラを溢れさせる。


（感情…駄々漏れ…　機嫌がいいのは　良い事だけど…苦しい…）


「ちょっと　くるしいよ」
体をモゾモゾ動かして、包み込んできた長い腕をバンバンたたく。


Ａ（あ！ごめん）
　あわてた相葉ちゃんがおいらの体を離してくれた。

「はぅ…」
解放させて体を少し動かす。


Ｍ「相葉くん、二人のいないところで良かったね」
　松潤がニヤッとしながら相葉ちゃんの側に行く。


「全くだよ（ニノが見てたら）蹴り入れられたよ？」


Ｍ「ダブルでね」
　首肯く松潤。


「ダブル？」
松潤の言葉をオオム返しする。


Ｍ「多分ね　翔くんの方が威力があるよ」
　肩を揺らしてくくくくと笑う松潤。


何を想像しているのか、わからないから、松潤を見ていると同じようにわからないって顔の相葉ちゃんと目が合った。


Ａ「どういう事だろう？」
　困惑した顔の相葉ちゃんが再び抱き付いてきた。


（今度は力加減してくれてる）


Ｍ「説明してあげるよ？」
　松潤がニヤっと口角を上げる。