第7章 記憶の風景
相葉視点
「わーなんかすごいねぇー」
青い空。赤い大地。
そして、真っ直ぐに伸びる車道。
その道の両側に広がるパイナップル畑。
(風が吹いてる…いい匂い…なんの匂いだろう…)
五人でただ、歩いている。
(15年前?歩いた道らしいけど、あんまり覚えてないんだよなぁ…)
体に今までなかった温かさを感じてその方を向くと、レフ板の光が体にあたっていた。
「あれ?もう撮影してるの?」
周りを見回すと、三脚に固定されてる一眼レフカメラや音声のマイク。
ステディカムのカメラも動いているようだった。
スタッフ「はい。結構前から取ってますよ」
N「気づいてませんでしたか?
結構ぉマジ顔していたので、撮影モードだと思ってましたよ?」
驚いた顔のニノ。
「え?マジ顔?そんなつもりないけど…カッコよかった?」
ニノに聞いてみた。
N「はーなぜに、マジ顔がカッコよくなるんですか?」
眉間にシワを寄せながら、不機嫌な顔のニノ。
(え?今の質問ダメ?でも、目が怒ってないから、大丈夫ラインだね)
「嵐の相葉雅紀です」
リーダーに向かってキメポーズをとってみた。
O「おお。アイドルだね」
親指を上げてくれたリーダー。
M「何やってるのよ!」
松潤が笑ってくれた。
「ははははは」
スタッフたちが笑ってくれた。
『ハワイに来てよかった!』って、素直に思える、そんな風景をかみしめている。
それから、カメラマンさんの指定する1人や2人ずつの写真を撮るアングルを決め始めた。