第85章 バク転はまだ地雷だった?
櫻井視点
潤の目力に怯え気味の智くんが「そ!そんな 事は 一言も言ってないぞ?」額に汗をかきながらで言う。
(潤には、全力でフォローするんだ)
O「ね? 翔くん」
智くんが『ね』と念押ししてきた。
「そう……だね。 確かに 言ってはない」
O「だろ!松潤に『しろ』って言ってない! ちょっと ハワイの演出で思い出したから言っただけだよ」
必死に潤の機嫌を取る智くん。
(俺には してくれない…のに… 何だろう この胸のモヤモヤ…)
視線を感じて顔を上げると、ガッツリ和也を目が合った。
(なんだよ…)
ひと睨みする。
何事もなかったような顔して「ま!その演出も無きにしも非ずだけど、嫌なら 残った三人のジャンケンに勝てばいいんだよぉ?」っと、潤の背中をポンポン叩く和也。
ものすごく聞き分けのいい潤が「わかった!」っといってニシっ笑った。
(最近…俺には向けてくれなくなった笑顔だぁ…)
M「勝ってリーダーに〝アイドルスマイル〟効果音付きをしてもらう」
楽しい遠足前の子供のようなキラキラ笑顔の潤。
O「そう言うのは相葉ちゃんの方がいいじゃん!」
智くんが雅紀の肩をポンと叩いて笑っている。
A「えー 大ちゃんのアイドルスマイルの方がいいよ!」
雅紀がワザとらしく口を開けて、智くんの方を向いている。
智くんと雅紀の絡みをニコニコ見ている潤を見て、Jr.だった頃に思いをはせる。
(もし… あの頃に…
潤を…練習会 参加させといたら、出来たかもしれなかった…
俺がいろいろ 言っちゃったしなぁ)
少しだけ昔の自分を後悔していると
N「いつまで 後悔に浸っているんですか?」
少し声質を下げた和也が俺の背中に抱き付いてきた。
「ぉぃ…抱き付くなよぉ」
急な接触に驚いて、ちょっと毒つく。
背中から感じる和也の体温が無性に嬉しかったのは、嘘じゃない。
N「ねぇ 翔ちゃん」
それでも、和也は微動だにせず、しゃべり続ける。
(これは…返事をするなってことかなぁ)
N「俺たちは間違った事してないよぉ
確かに、可能性は潰したかも…
だけど…その分 何かを…そぉ! 俺たちだけの“花”を咲かせれたよ」
小さい声だけど、しっかりした口調の和也。