第81章 魂の宴 ほら 話を進めるよ
大野視点
“声”が“ハヌマーン”と呼ぶニノの御憑の霊
(なんとか宮? 二宮に似た名前だったはず、忘れちゃったし『宮様』で通じる)
ニノの肩に顎をのせて笑ている。
その顎を鬱陶しそうに払うニノ。
同じ顔が相反する顔をしている。
(いいね この 絵!)
切り取って、残したい衝動に襲われる。
N「もう いいですか?」
ニノの刺々しい声が響く。
(わ! 怒った?)
S「あぁ ごめんね 挨拶の言葉案がそっちのけになっていたね」
翔くんがすぐに 反応してニノに近づいていく。
N「や!」
一瞬 意図していないと顔にでたニノ。
(ん?今の言葉は おいら達じゃなくて…)
N「そ!そうですよぉ 挨拶の言葉 ドンドン言ってくれるんじゃないですか?」
ワザとのように頬をふくらますニノ。
(うん やっぱり 御憑の霊に向けて言った言葉だったんだぁ 発声失敗ってことね)
S「さっきはね 精霊様からの“十五年の年月は 童より人に成長”とか良いねって」
M「うん まぁ その言葉が心に残ったって事をね」
翔くんと松潤がニノの機嫌を損なわないようにゆっくりさっきの話をしている。
N「心に残った言葉…」
手帳を開くニノ。
A「椅子あるよ」
ニノ背中側に椅子を持ってきた相葉ちゃん。
N「あぁ 珍しく気が利きますね」
トゲトゲしい声のニノ。
(あれ?)
A「しゃがむとより 書きやすいだろ?」
ニコって笑って椅子をポンポンっと叩く相葉ちゃん。
N「確かに」
語尾が小さくなるニノ。
(お!相葉ちゃんがキチンと対応した!)
Gaṅgā no higono moto nakaraeta inoti
ガンガー ノ ヒゴノ モト ナガラエタ イノチ
(たしかに…)
S「和也?」
翔くんがニノを呼ぶ。
〝声〟より翔くんの声に一番反応するおいら。
S「挨拶の原案って纏まってる?」
翔くんがニノが持つ手帳を指さしている。
N「うん。これでいいかな?」
開いていたページをそのままの状態で翔くんに手帳を差し出す。
(どんな内容になったのかな…)
翔くんが手帳の原案を読んでいる。