第81章 魂の宴 ほら 話を進めるよ
二宮視点
{怖いなぁ 御仁~}
猴が衣を整え智さんの方に向く。
≪あの人は ここなら ガッツリ猴っお前も見えるんだ!大人しくしろよ≫
O「頭ン中 言葉がグルグルしてるぅの 翔くんもニノもかわいいって思ってね」
何かを思い出したように肩を揺らす智さん。
{御仁は、カズナリの何を思い出したのであろうなぁ}
俺の肩に顎をのせて話す猴。
≪そこで、話さないでください。微妙に肩が揺れて、気持ち悪いです≫
{くくくく、衣の上からでも、我の肌を感ずるか?}
≪キモいですよ やめてもらえますか?≫
小さい声で、猴に文句を言う。
{ははっっはっっはっはは}
わざと大きな声で笑い出した猴。
「もう いいですか?」
ちょっと自分でも分かるくらい刺々しい声が出た。
S「あぁ ごめんね 挨拶の言葉案がそっちのけになっていたね」
翔さんが近づいてきた。
(あ! 声の切り替え間違えた!)
「や!
(なんとか、ごまかさないとぉ)
そ!そうですよぉ
挨拶の言葉 ドンドン言ってくれるんじゃないですか?」
頬をふくらます。
S「うん だから 潤が」
翔さんが潤くんの方を向く。
(え?なんで)「潤くん?」
潤くんの方を向くと 潤くんが『俺?』って顔をした。
S「うん。
さっきはね 精霊様からの“十五年の年月は 童より人に成長”とか良いねって」
翔さんが俺と潤くんを交互に見ながら、説明しはじめる。
M「うん まぁ その言葉が心に残ったって事をね」
潤くんも内容が分かったのか、言葉を続けてきた。
「心に残った言葉…」
さっき書いた原案を確認するつもりで手帳を開く。
A「椅子あるよ」
椅子を背中側に移動してきたマー君。
「あぁ 珍しく気が利きますね」
トゲトゲしい声がまた 零れ落ちる。
(あぁ 声のトーンがおかしくなってる…)
A「しゃがむとより 書きやすいだろ?」
ニコって笑って椅子をポンポンっと叩くマー君。
「確かに」(書くには…椅子の方がいいけど…)
S「和也 挨拶の原案って纏まってる?」
翔さんが手帳を指さす。
「うん。これでいいかな?」
開いていたページをそのままで手帳を差し出す。