第78章 魂の宴　挨拶文を作ろう

松本視点

Ａ「はい！〝愛の結晶〟ってどう♪」
　相葉くんの突拍子もない言葉が飛び込んできた。


（ぅん　空気は変わったけど　微妙な言葉…）


　相葉くんはニコニコ笑ってニノの顔を見ている。


Ｎ「…子供ですか？」
　ニノが怪訝そうに言う。


Ａ「ダメ？いいと思ったけど…」
　相葉くんの覇気が見る見るなくなる。


（あぁ　なぜに　こう　うまく　テンションを共有できないかねぇ）




　翔くんが手帳を開いた状態で二人を見ている。


（こちらの　機嫌を損なう方が　危険なんですけど…）

「う～ん？愛より〝奇跡の結晶〟の方が良くない？」
ニノに聞こえるように、翔さんに声を掛けている。


Ｓ「確かに　奇跡の方が　いろんな　意味を持てるよね」
　同意してくれた翔くん。



　リーダーがニノの体をツンツンと突く。
　ニノは何も言わず、リーダーの後ろに隠れる。


　ニノ行動にあたふたするリーダー。
　ガンとして、顔を上げようとしないニノ。


　リーダーが表情だけで翔くんに助けを求める。


（『困った時の翔くん』って　まだ　健在なんだね…）


　翔くんはペン先を手帳にトントンしながら和也を見ていた。


（もしかして怒った？　表情が硬いよ…）


Ｓ「和也」
　翔くんが名前だけを呼んで動き出した。


Ｎ「…はい」
　怯えた様な声で小さく返事をするニノ。


（こ、怖いよ 翔くん）
条件反射のように身構える俺。


（低い声って　お説教モードの時が多いんだよ…）





Ｓ「まとめてて♡」
　ニコッと笑って、畳んだ手帳をニノにむける翔さん。


（え？笑顔？）

Ｎ「え？翔さん？」
　ニノがポカンと口を開けた。


Ｓ「俺たちが、バンバン挨拶に使えそうな言葉を出すから、和也が５×10みたいに“この場にあった面白い挨拶”にしてくれない？」
　にこにこ笑いながら、ブランっとなっているニノ手を取って　手帳を渡す翔くん。


　口を半開きになっている相葉くんと目があう。

（お説教にはならない…みたいだ…ね）


　ニコニコ笑っているリーダー。


（あぁ‥‥そうか！ニノに…役をあげたんた…）
「いいなー　翔さんの手帳だぁ～」
ニノに歩み寄って　翔くんの手帳をツンツン突く。



Ｎ「う、うん…」
　少し戸惑った顔のニノが手帳を開く。