第77章 魂の宴 挨拶そっちのけ?
待ちに待った智くんの言葉は〝知的アイドル〟っというよくわからない言葉だった。
(はっ?)
「なに? その『知的』って?」
智くん独特の“ふにゃ”っとした柔らかい笑顔で俺を見ている。
(そんなんじゃなくて)
「もっとないのオリジナリティーなヤツちょうだいよ!」
雅紀みたいに口を尖がらして、不服を訴えている。
(さっき うまくいったから 俺もいいよね?)
O「…う~ん…」
智くんが腕を組んで考え始める。
(悩まないでよ…もっと俺らしい言葉あるでしょ?
ほら…
って 言っても 俺って何があるかな?
リーダーの時は‘勉強リーダー’だったけど…)
智くんを見ながら、自分でも自分を表現を考える。
(慶應アイドル それは、もう違うかなぁ
ZERO? いや あの番組は村尾さんの番組だし…
ジャニーズだから ダンスだって踊れるけど、智くんとかと比べたら足元に及ばれないし
雅紀みたいに ミラクル 起こせないし…
和也ほど演技の評価 されてないし…
潤のようにストイックかと言われると、ストイックじゃねーしぃ
イケメンって 言われると嬉しいけど、それほど イケてるとも 思えないし…)
M「じゃ、俺は?」
潤が割り込んできた。
智くんが少しだけ頭を動かして、潤を見る。
(おい 今 俺の番だぞ 後で時間取るから 待ってろよ!)
M「ねぇー りぃだぁぁ聞いてるぅ?」
甘えるように潤が智くんの体を触る。
(わ! 末っ子キャラ使ってる!!)
智くんがニコッと笑った。
(やられた… そのキャラ智くん好きだもんね…
ふぅぅ 俺より 潤の事考えはじめたよね…
別に『知的』でも いいよ…智くんが命名してくれることが、大事なんだし…)
A「松潤は〝イケメンアイドル〟だよ!」
雅紀がいきなり話に入ってきた。
(え?)
雅紀を見ると、目じりに大きなシワを作って笑っていた。
A「一番カッコいいもん!」
雅紀が顔の筋肉をめいっぱい使ったへたくそなウインクを潤に向ける。
(雅紀…)
M「そ、そりゃ、どうも…」
嬉しそうに笑う潤。
(潤が…素直に喜んでる……)