第5章 懐かしさが溢れてくる
松本視点
ニノを連れて来てくれたのは、コンサートのステージのすぐ裏にある。資材のコンテナ置き場。
「あのドールのマークが付いてるコンテナが、俺たちの専用休憩コンテナ。
レイの付いた新嵐マークが付いているのが俺たち専用のバスルームだって!!」
N「トイレって事か…」
「コンサート会場に設置するトイレは、みんなの物だから、俺たちには専用のシャワーとトイレだってさ」
N「シャワーもすごいな」
「リハまでには足回り終わっるって。でも、まだ工事中だから見れない」
スタッフ「松本さん。鍵持ってきました」
「ありがとう」
スタッフから鍵を受け取る。
N「鍵?どこの?」
「だから、あのドールのコンテナがチーフが『とっておきの移動車を用意した』って言ってたヤツ!」
一番最初に指さしたパイナップルのマークがデカデカと描かれたコンテナがトラックの荷台に乗せられていた。
N「あー言っていた移動車?ハワイの撮影を主とする場所には一緒に行動する大型トラック用意したって」
「嵐専用のコンテナハウスらしいよ。ロケ中の着替えとトイレとかだって」
「Good morning. I have come to check it. Can I open?」
訳 私は、それをチェックするために来た。
スタッフに見えるように鍵を高く上げてみせる。
ス「It's permitted.」
訳 許されます
「いいってさ。入ってみようぜ」
N「みたい!みたい!」
コンテナの方に開いていく二人。
ス「松本さーん!」
鍵を持ってきたスタッフが再び走ってきた。
「?なに?トラブル?」
ス「ラークさんが『浜辺』の事で聞きたい事があるそうです!」
息を切らしながら、要件を言うスタッフ。
「『浜辺』?キャンセルの方向で話進めてたよね?」
ス「たぶん、その確認だと思います」
「わかった。すぐ行く。ニノゴメン。俺行くわ」
ニノに鍵を渡す。
N「ああ、行って!行って!頼りにしているよコンサート番長!」
「茶化すなよ!策士も頑張れよ!」
N「楽しみにしていろ!」
番長と策士がニヤッと笑って離れて行った。