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虹と花とキミ達と 1 《気象系》

第73章 魂の宴 食べて飲んで 話して


大野視点

{では、ない!!}

 感情的な 声 が聞こた。


直ぐその声がした方に意識を向ける。


 仁王立ちのニノと肩を耳に当てようとしている相葉ちゃんが見えた。


 ニノの周りから空に駆け上がる光の筋。


≪どこ行く!≫
 ニノの〝声〟が聞こえる。


相葉ちゃんは、小さく頭を振っている。




(天邪鬼の宮がニノから離れた?

 んで?ニノが把握していない…

 何かあるのか…)


目を見開いて“眼の力”で光の筋を追っかける。


ここは虹の精霊の『神域』
 空と風と水と地 そして、光の下に活力を得る神格ある者のみ立ち入ることのできる。


『神域』は〝力〟のある者と『信仰度合い』によって幅も厚みも色味も変わる。




雲の上で体育座りをしている宮様が見えた。

(いた…あの感じじゃ 忌みで離れたんじゃないな…)




S「智くん…」
 翔くんが呼ぶ。

翔くんの方を向くと、翔くんがスッと体を寄せてくる。


(ふふ そんな不安そうな顔しないの…)
「大丈夫。ちょっと…(何て言ぉう…マナって事にしようかな?)
 マナに(宮様が)酔っただけだよ」


『そう』っと唇を尖がらす翔くん。

(納得いってないね…)
「見てみ…」
顎が少し動かす。

 顎の向いた方に顔を向ける翔くん。


「はい!あーん」と言って、ニノの小さい口に芋を押し込む相葉ちゃん。

 ニノは一瞬で固まった。



「もし(ちょっと強めに言うべきかな?)
 もし!この宴の間者が紛れ込んでいて『雅紀』があんなに穏やかでいられると思う?」

 翔くんが無言で相葉ちゃんを見つめる。



M「大丈夫?」
 今度は松潤が俺の顔いろを確認に来た。


「うん?」
(誰の心配?)


M「なによ?俺は智さんを心配しちゃ、ダメなのかよ」
 ちょっとだけ膨れる松潤。


(ふふ 顔に書いちゃったかな…)
「大丈夫も何も、ここは『宴』祝福の力量は違っても、みな俺たち『嵐』を攻撃してこないよ♪」
安心させるように、優しくゆっくり話す。


M「うん。確かに…そうだね」
 クッと肩を動かして笑う松潤。


(松潤も穏やかになったよなぁ…)


M「じゃさ。 もっと『あーん』させよう!」
 お道化た顔して、側にあった取り皿に手を伸ばす松潤。
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