第72章 魂の宴 精霊の演武
大野視点
{嵐殿に演舞をお見せしましょう}
虹の乙女の声で、意識がこちらに帰ってくる。
(やべ、翔くんに…感づかれ…る…)
怪訝そうな顔を想像して翔くんを怖々探す。
(あぁ大丈夫だぁ)
テーブルの上の食事を、パクパクとおいしそうに食べている翔くんがいた。
(機嫌いいね…そりゃそうだよね…一番、身近な所だし…)
「おいしい?」
S「うん コレとか 最高!!」
テカテカ輝く芋を指さす翔くん。
「へー」(大学芋かなぁ)
S「食べてごらんよ」
リスみたいに頬を膨らましてモグモグしている翔くん。
ゴクンと音を立てて飲んで「絶対、あなた好きな味よ!」と笑った。
「そぉ?」
ゆっくり小さい欠片に手を伸ばして、口に入れる。
「あ!ホントだ美味しい♪」
(甘い!さつまいもじゃないけど、大学芋だな!)
S「でしょ?」
うふふっと笑う翔くん。
(ぅふふん🎵は!この幸せを分け合わないと!!)
「ニノ。相葉ちゃんこっち来てよ!これ美味しいよ♡」
演舞を見ているニノと相葉ちゃんがコッチを向く。
A「なに?美味しい物?」
小走りで近づいて来る相葉ちゃん。
「うん。コレ!」
芋を指さす。
躊躇なく、芋に手を伸ばして、パクッと口に入れ「うま!」っと指先をペロッてなめて笑った相葉ちゃん。
N「手づかみ?」
眉間にシワを寄せるニノ。
S「シワぁ可愛い顔が台無しぃ!!」
ニノの額をツンツン触る翔くん。
ムーッと口を尖がらすニノ。
「はは。」
大きな口を笑う。
(いつまでも、こんな感じでいたい な
松潤
あれ?いない…)
周りを見回すと、宴の隅で座って、演武を見つめ頬を触っている潤がいた。
翔くんが少し悲しそうな顔をした。
『また 泣いてるの?』
S『うん…でも あの子がいるから…大丈夫だと思う…』
翔くんが松潤に寄り添う狼を見つめる。
(モモの事を言ってるんだね)『でもね、こういう時は、ちゃんと声を掛けるべきなんだよ』
S『なんて?』
『そうだなぁ』
(なんて、言ったら…)
N「ちょっと 何一人で黄昏てるんですか?」
ニノが松潤に向かって歩いて行く。
A「ちょっと!まって!!」
バナナとかを抱えて、ニノを追っかける相葉ちゃん。
(声かけより、行動かぁ)