第70章 精霊からの祝福
松本視点
俺たち『嵐』と『虹の精霊』をつなぐ神聖な踊りを終えた虹の乙女の姿が元の絹にドレスに戻っていた。
人の姿になった虹の精霊をうやうやしく、一番大きな聖なる岩へ先導する。
岩の上に虹の精霊が鎮座した と、時を同じくして、
回りにこの場に集まっていた精霊達が、
次々煌びやかな衣を纏って俺たち『嵐』の前に進み依ってくる。
{虹の精霊イーリスの祝福に追随する}
中位の精霊様が俺に迫って来る。
「これなに?」
ゾワゾワっと鳥肌が立つ。
S「大丈夫だよ、そんなに身構えるな」
ふふっと笑顔で声を掛けてくれる翔くん。
(身構えるなって…言われても、この中には、俺に対する意識が良いとは言えない精霊様だっているんだよぉ)
俺は殆ど鳥肌が立って固まるだから、最初から身構えてします。
S「中位の精霊様の“人”への祝福だ」
大きな花を背負った四つ足の精霊が翔くんの顔をする擦り触って行く。
S「動かずじっとして…」
毛むくじゃらの二足の精霊?が翔くんの頭をわしゃわしゃ撫ぜていく。
S「痛いことはしないから」
豪快な行動にも、にこやかに対応する翔くん。
(た、確かに…
この“場”にお越しの霊は祝福をもたらす精霊様から危害を受けることはないと思うけど…)
自分から“振れる”事は出来ないけど、精霊からは触られてくる。
心地よかったり くすぐったかったり 鳥肌が立ったり 虫が這うほど気持ち悪くなったりする。
O「ふふっ♪」
体をこすり合わせている笑っているリーダー。
A「くすぐったい…」
彼方此方触られて困っている相葉くん。
N「人の子がそんなに珍しいですか…」
ふぅと小さく息をはきながら、されるがままのニノ。
(みんな…されるがまま なんだね…)
祝福を終えた精霊は聖岩に戻って行く。
{お疲れ様でした}
虹の乙女が微笑みながら、翔くん腰から下を少し沈ませる、礼をする。
S「はは、確かに…たくさんの祝福をいただきましたね…」
小さき精霊が、せわしなく俺たちの乱れた髪型や服装を整える。
{では、宴をはじめましょう}
乙女の声で空間は一気にパーティ会場へと変わる。