第65章 虹の乙女

大野視点

メネフネの虹はこんもりとした小山に続いていた。

「相葉ちゃん　もう着くね♪」

Ａ「そうだね！！」

ニコニコしている相葉ちゃんと並んで虹が森にたどり着く。


｛お待ちしておりました｝
沢山の小さな霊球が俺たちを待ち構えていた。


Ｓ「ありがとう」
　翔くんが手を上げると　霊球が宴の場所に導き始まる。


優しい風を感じながら進むと、大小のバースストーンの上に壱霊ずつ鎮座しているの見えてきた。


（昼間より　やっぱりきちんとしてるなぁ…）


バースストーン郡の中央に虹色に輝く大岩があった。

（主の登場だな）

その大岩のシルクの聖服を纏った胡桃色のロングの髪の少女が立っていた。


｛ようこそ『クカニロコ』へ『嵐』の名を持つ人の子達

　わが名はカハラ『虹の乙女』です｝
腰から少し沈ませる礼をする乙女。



Ｓ「お招き　ありがとうございます」
　翔くんが前に出て右手を胸にあて、頭を下げた。

（さすが、様になってる！おいらぁこういうの苦手だから…）

そっとみんなの列の一番後ろに下がる。




（翔ちゃんのかっこいい紳士ぷりを見ていたいけど、さっきから松潤の様子がおかしい

　表情は変わらないけど、目にものすごい力が入っている）



｛Why is it hidden?｝
乙女が微笑みながら言う。

（ん？秘密？）

　乙女の言葉に驚いて顔をあげる翔くん。


｛I also hope that you make your flower bloom.｝
　乙女は微笑みを絶やさず翔くんに話しかけている。


Ｓ「お心痛み入ります…が…わたくしは…」
　困惑した顔で返事を考えている翔くん。


（翔くんが困ってる？）

　松潤の尾や髪の毛がフワッと立ち上がり始まる。


《おちつけ…潤のぉ》
松潤に心に声を掛ける。

　松潤が俺の方を向く。

（声がとどいたかな？）
小さく頭をふって左手を胸に当てた。

（おちつけ…　落ち着いてくれ　モモ！）


Ｎ「カハラ様！
　　われらは『嵐』として、お目通りを許された者
　　その件はご辞退させていただきます」
　和也が大きな声で断りの言葉というと勢いよく頭も下げた。


《な…いまぁ俺ら『嵐』なんだよ》


尾や髪の毛が普通になった松潤がふーっと息を吐き、目を閉じてくれた。