第56章 ちょっと 寄り道
二宮視点
虹の道の小人の一人が俺たちの方に向かって飛んできた。
{どうなされました?}
この小人は〝メネフネ〟と呼ばれるハワイの民。
≪問題ない。道を進めてくれ!≫
翔さんの‘声’で指示を出す。
(ここで‘声’使うと…)
翔さんの着ている服の裾が形態を変えつつある。
O「ごめん!」
びっくりするくらい通る普通の声でメネフネに声を掛ける大野さん。
みんなが一斉に大野さんを見る。
O「下に自分たち見つけちゃって、足が止まったの。すぐ出発するから!!」
翔さんにべったりくっ付いていう。
翔さんもビックリしているけど、どことなく嬉しそう。
服の裾の形状もタキシードにもどっている。
(潤くん辺りに気づかれないように、の配慮だったのかな?)
{側に下りますか?}
メネフネが下界に広がる 赤い大地を指さす。
A「行けるの?」
マー君が普通に聞いている。
(たぶん あのバカは気づかないだろうなぁ)
{はい ですが コチラと時間軸が異なりますゆえ、声掛けはお止めください}
メネフネがニコッと笑った。
(そうそう 声なんか掛けないでくださいね)
O「じゃ!行ってみようよ!」
大野さんがキラキラした目で言う。
A「オッケイ♪」
マー君が俺の手を強く引く。
「あ!ちょっと…」
よろっと体が揺れる。
マー君の行動を止めようと手に力を入れたけど もう遅い。
マー君と大野さんがふわっと浮いて、メネフネがゆっくり下界に降りていく。
マー君が俺と潤くんを引っ張っていく。
大野さんが翔さんを引く。
俺と翔さんは 超天然な二人に引っ張られて なすすべがない。
M「あぁれぇ~🎶」
実は一番の天然かもの潤くんがニコニコ引っ張られている。
(あぁあ…同一人物の接触したら、いろいろ問題が出るんだけどなぁ…)
{melemel 心配ない}
先導のメネフネとは別のメネフネが大きく顔を横に振っている。
{メネフネのアヌエヌエに乗ってる者 特別!!問題ない}
「問題ないねぇ」
(今の俺たちは 人なのか? 人として成り立っているのか?)
{くふふ メレメレ 心配症 ここ シワ}
俺の額をペシペシ叩くメネフネ。
(けっこう楽観的ぃ~)