第52章 三兄 あたふた
相葉視点
M「そんなに、詰め寄るとマーが引くぞ な?俺と歩くだろ?」
潤ちゃんが俺を引きよせる。
N「和子のなの!」
膨れ顔の“和子”がグイッと俺の手を引く。
M「オレんのだ!!」
カズに胸をあてに行く潤ちゃん。
「ちょっと!なに」(ケンカはダメ!!)
二人の体の間に両手を入れる。
翔ちゃんに顔をむける。
「翔ちゃんも笑ってないで、止めてよ!!」
大ちゃんも笑っている。
N「和子のなの!」
M「オレのだ!!」
二人が胸を軽くぶつけ合う。
「もう!二人とも!!いい加減にしろよ!」
(これ以上になったら 本気で怒るよ!!)
N「俺の手、離さないんだね」
カズが笑顔で俺を見上げてきた。
「え」(なんで 笑顔?意味が見えないよ)
N「ふふ やっぱりマー君は優しい🎶」
ギュッと腕に体を寄せるカズ。
(カズの機嫌が良くなった?じゃ…聞いてもいいかな…)
N「なに?なにか気になる事があるの?」
(もう 俺の心先に言わないでよ でも聞く…)
「ぅんとね…さっきさ なんでバージンロードの歩き方 練習してたの?」
(本当に…結婚するなら、先に教えててほしい
心の準備とかしてないと、笑顔で祝福できない…)
N「ん…
ほら、もうすぐ『精霊の宴』行くじゃないですか?」
ちょっと、言葉を考えながら話すカズ。
「う。うん」(五人で今 向かってるね)
N「さっき 潤くんに『歩き方』を習っていたのは、その為です」
「そ?そのため?」(どうゆうこと?)
小さく息を吐いたカズが、ゆっくり話しだす。
N「神前式の足の進め方が一番『人』として 精霊様の前に進む時の作法に近いと言われてます」
「そうなの!」(初めて聞く)
M「ほう。そうだったのか」
潤ちゃんが頭を少し揺らしながら言う。
N「ええ。」
少し下を見ながら言うカズ。
(どうしたの?)
N「相葉さんでも、知ってるでしょ?『神前式』って言葉」
「神様の前で式をする結婚式だよね?」
N「そうです。
神様の前では『神前式』仏様の前では『仏前式』じゃ精霊様の前でするのは?」
(え?クイズ?)
「セイレイゼンシキ?」
N「ふふ♪」
今までで一番の笑顔を見せるカズ。
(正解なのね♡)