第49章 兄ズ 弟ズのアソビを傍観する
大野視点
歩いている石畳から、意識して虹色に輝く“道”に足を乗せる。
(乗れる!よし。みんな 行こう!!)
『乗った』と 意識したら、グッと引き上げられる感覚がした。
(おお…乗ると勝手に進むのか…)
足の動きが遅くすると、だんだん進みが悪くなり、足が重くなる。
(道が足に纏(まと)わりつく…気持ち悪い…)
ちゃんと歩こうと思うと、足が軽くなり、道も輝きを放つ。
(なるほど。意識して足を動かさないと行けないんだ…)
この“道”の歩き方が分かったら、楽しくなった。
(すげなぁーー 中庭から“外”に歩いて出るなんて…)
俺の周りにニノがよく言う『衣替えの精霊』が飛び交っている。
コッチで着ている衣がタキシードに変化していく。
(『人』としての正装って事かな…
じゃないと、みんなの衣がバラバラになるもんなぁ
俺は別に“服”はどうでもいいと思うけど…)
{satosi kimotinoyoi tokoradana}
悟から少しだけ言葉で伝えてきた。
横に並んでいるメンバーを見ながら《そうだろ。ココはとっても、優しい所だよ》と、悟に声を返す。
返事はなかったけど、笑っているような気がした。
(顔なんか、見たことないの…)
自分の“気”にツッコミを入れて、笑った。
M「デザインは違うんだね」
松潤の衣装チェックが始まった。
(ココでも衣装チェックするんだ…松潤らしいなぁ)
N「確かに…」
ニノも興味ありありのオーラでタキシードを見ている。
(二人はやっぱり、おいらの見ている所と違う角度で物事をみているんだな…
貪欲なくらいの情報収集と応用 転換 反映が半端ない二人
最近じゃおいらの出る幕ないもんなぁ)
(ん?)
翔くんの手が少しだけ強張った。
気になったから、翔くんを見る。
翔くんが笑っている。
(笑っているのに 俺の手を握る力が強くなる? なに?何かあるの?)