第47章 宴への道

松本視点

この服は、軽い。

シルクの様な光沢で、縫い目が確認できない位の精密に仕立て上げている。

着ている感じがない。

（この服いいんだよなぁ　コンサートの衣装にしたいよ…）



虹を歩き出してから翔くんの‘声’が聞こえた

（下霊かな？）

小さな輝きが俺たちの周りを飛び交い始まる。
と、同時に着ている服が変化し始まる。

（おお？衣装チェンジ？）
「タキシードになるの？」
どんどん変化していく様を確認したくなる。



Ｎ「足を止めないでください！」
　ニノが俺に注意をしてきた。

『なんだよ』とニノに文句を言う顔でむく。


Ｎ「ほら、しっかり歩いてください
　　この人たち歩くの早いんだから！」

　顎をクイッと動かすニノ。


　それぞれのスピードが微妙に変わって、足元の虹の橋が揺らぐ。


「あ、ごめん…」
足並みがそろった頃には、俺の服はすっかり、タキシードに変わっていた。



Ｎ「『衣替え』完了ですね…」
　ニノが当然の様な顔で歩いている。


（お前も変なトコ堂々としてるよな…

　まっ　俺もその一人だけどさ…）



手を繋いでいる先に見える相葉くんのジャケットのデザインが、俺のと違うのに気付いた。


「デザインは違うんだね」
相葉くんのジャケットを見るため歩幅を広げ、相葉くんに近づく。


Ｎ「確かに…」
　ニノも“デザイン”に興味津々オーラで相葉くんとの間を詰める。



（なー…進展とか、あるのかな？

　でもなぁ　ニノがちゃんと腹くくらないと　無理だよなぁ

　それに、とうの相葉くんは空を見上げているもんなぁ…）


Ｎ『ふふ♡』
　ニノの顔が笑顔になっていく。


（ん？なに思い出したの？）


Ｎ『オアソビ　しよ♡』
　いきなり　ニノの口が動く。


（なに？）


Ｎ『オアソビ♡』
　ニノの口がニヤリと動いた。



（おあおい？

　ああ…お遊びね…　付き合ってやるよ！）
俺も小さく笑って合図した。