第46章 見守る者
桃木視点
O&A「さぁーレッツゴー♡」
S「オーー」
五人が手を繋いでいる歩きだす背中を見ている。
宮『桃木…』
宮様がふわりと舞い降りた。
『あ、宮様』
地に足が着くのを確認して、両手を重て、首部を下げる。
宮『久しいな…』
宮様の声が耳をなぜていく
『はい、ご機嫌がよろしいようで…』
声を聞くだけで、貴方様の機嫌がわかる。
年月は関係無いのだと感じた。
宮『当たり前だ!こうやって…主(ぬし)と…』
宮様の声が、震えている。
顔をあげると、言葉より先に、頬をつたう涙がみえた。
『ああ、泣かないでください』
慌てて、近づくと『泣いてなどおらん!』と、掌で乱暴にぬぐう宮様。
『そうですか…では、そう言う事にしましょう』
繊細で強がりで…感情を表に出さない宮様を泣かすなど、
生きていた頃なら、仕返しを警戒しなければいけない…が、
今は違う…
宮『ふん。』
感情をそのまま、顔や態度にだす宮様。
こんなに可愛らしき男子(おのこ)であったのかと、思う。
猿の“お嬢”が宮様の肩から降りて私の胸に抱き付いた。
宮『我(わ)は、御仁と桃木の再開を拝みたかった』
独り言のように、私に言葉を向ける。
『悟はもう、智殿です… 私は、これでいいのですよ…』
“お嬢”をなぜながら言う。
宮『ふん、主が言うなら、構わないが…
サトシの中の悟は、待っていたぞ…』
『そうですか… でも、近づけません…
今宵は、花と虹の精霊様の加護の奇跡にしかありません…』
宮『主は、難儀なヤツだ…』
(ええ、自覚あります。
私は…弱き男です…)