第37章 心　同じ　器　すれ違う

大野視点

Ｓ「替えのＴシャツと下着はこの袋ね？靴下は…」
　嬉しそうに、俺の荷物から、服を出して明日の準備をしてくれる。


（部屋に…目の前に翔ちゃんがいる…

それだけで、本当にそれだけでいい…

《ショウ（これからも）ソバニ　イル》よねぇ？…）

ソファーに座って翔ちゃんを見ていた。


Ｓ「智くん？どうしたの？傍にいるよ？」
　少し困った顔でおいらを見ている翔ちゃん。


（ォmo…そんなぁに見てると、溶けちゃうよ…）


数回瞬きをした。


（ああ…なんだろう…この気持ち……ぃい…）



Ｓ「智くん？ここで、寝ないでよ？　ほら、ベッド…すぐそこだから…」
　翔ちゃんがおいらの肩をポンポン叩く。



「しょうちゃぁ～ん」（抱っこしてぇ）
両手を広げて『抱っこアピール』をしてみる。

（今日わぁしてよ…おいら頑張った…）


Ｓ「はいはい」
　翔ちゃんがニコニコ笑いながら体を寄せてくれた。


（わーい）「おいらの翔ちゃん♡」
しっかり抱きつく。

Ｓ「はいはい！みんなの翔ちゃんですよ♪」
　翔ちゃんの大きな手が背中をポンポンと叩いて来る。


翔ちゃんの肩に自分の顎を置いて大きく息を吸った。

（あー翔ちゃんの匂いがする…）



「この花はやっぱり、赤いのがいいね♪」
翔ちゃんの頭の上で輝いているハイビスカスをツンツン触る。


Ｓ「そう？智くんの青いのだって綺麗だよ♪」
　翔ちゃんの優しい声が耳元で広がる。


「へへ♪良いだろう♪」
少し背中をそらして、翔ちゃんの顔を見る。



　翔ちゃんがふふっと笑って「よいしょ！」の掛け声と共に、立ち上がらしてくれた。


Ｓ「智くん…なんか軽くなった？」
　心配そうな声の翔ちゃん。

「そう？」
（最近ちょっと、食べずに飲んでたからかなぁ…）

Ｓ「最近忙しかったもんね…体…鍛えないとね…」
　優しい言葉で心と体を支えてくれる翔ちゃん。


（おいらの翔ちゃん…嵐の翔ちゃん…）


ベッドまで誘導してくれた翔ちゃんの体を引っ張って、ベッドにダイブする。


「きゃー♡　翔ちゃんとベッドイン！！」
ふざけた声をあげる。


Ｓ「はいはい…お布団入ろうね♪」
　何事もないように、体を起こして、掛け布団に手をかける翔ちゃん。


「やだ…もっと、一緒に…」
翔ちゃんの腕を掴む。