第28章 ウイスキーで乾杯
松本視点
相葉くんが座っていた場所にグラスとアイスペールを置いた。
N「ちゃんと食べましたか?」
ニノが少し疲れた顔でピッチャーをもって寄ってきた。
「食べたよ」
ニノの質問に即答した。
(ニノ 俺じゃなく、翔さんに聞くつもりだっただろ?
俺の体調まで気にしだしたのか…俺は大丈夫だよ…
それより自分の方か疲れてるよ?)
声を掛けようとしたら「場所作ってくれてる♡」とニコニコの相葉くんがすぐ後ろに付いてきた。
(あ…コッチは顔色良い…)
ニノと一緒にバーテンダー雅紀が準備を始めている。
A「ダメじゃないけど…
やっぱ、それにあったグラスに注ぎたいなぁ」
ロックグラスをツンツン突く相葉くん。
S「バーテンダーのこだわり?」
翔さんが首を少し傾げる。
A「こだわりって言うより、そう習ったって感じかな?」
(ドラマでバーテンダーの役をやってから、やたらとお酒や道具に詳しくなったよね…)
N「ふーん」
ニノがグラスを見ている。
(興味なさそー)
「相葉くんが準備している間にこのウイスキーの説明させていただきます」
犬養がびっしり書いてくれてるメモを出した。
S「よろしくお願いします!!」
ご機嫌な翔さんの合いの手が入る。
「えーと…アルコール度数40度。
バーボンウイスキーとマウイゴールドパイナップルをブレンドした、
パイナップルの香りを纏ったハワイアンテイストのブレンドウイスキーです
18世紀後半、メキシコからやってきたカウボーイ。
彼らはハワイの伝統を受け入れることで、
現地の人々からハワイアン・カウボーイ「パニオロ」として認められました。
アメリカ大陸とハワイアン文化の融合。
その象徴とも言えるこのパニオロの名を冠したのが、
パイナップル香るなんとも珍しいパニオロ・ウイスキーなのです」
S「情報ありがとう🎶いい感じの説明だったよ」
翔さんが親指を立てた。
「これ。犬養が書いてくれてたメモだよ」
翔さんに犬養のメモを見せる。
S「おぉ!びっしり書いてるね。なのに、読みやすい!犬養君は良いマネになるね」
にっこり笑う翔さん。
(やったよ。犬養!翔さんが褒めてくれた!!)