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虹と花とキミ達と 1 《気象系》

第27章 ハワイのウイスキー登場


櫻井視点

「サー潤クン。生春巻きを食べてもらいましょうか?」

M「え?」

「え。じゃないよ…(俺は見ていた)今どさくさに紛れて、智くんの皿にいれたよね?
 大丈夫。パクチーは入ってませんよ」
目の前で生春巻きを食べて見せる。

M「翔くん食べたの?勇気ある…ていうか
  これって、浜地マネが注文したんじゃないの?」

「たぶん。俺が吉桜くんに頼んでいた分だよ。
 だって、みんなの嫌いなものは来てないでしょぉ」
食べかけの料理を指さす。

M「あ…そうだね。そうか…翔さんチョイスだったのか…」

「お気に召しましたか?」

M「ルームサービスにしたら、量があるし、バランスもとれてる。
  ダメなモノもなかったし…ちょっと感心してたんだ」

(それはよかった。みんなと離れている間の唯一の楽しみだったんだ…)

O「じゃ…この生春巻きは返すね?」

 智くんが春巻きを箸で挟んで潤の皿に運ぼうとすると「あーん」と口を大きく開ける潤がいる。


O「あ…うん。あーん」
 智くんが躊躇いながら潤の口に半分入れる。

(あー…おいおい。羨ましい事してるじゃんか…)

 生春巻きを落とさないように、潤は手を使って全部口の中に押し込む。

(潤は、甘え上手だよな…

 くー
 いくつになっても『あーん』が似合うって…)


潤が口をモグモグしなから立ち上がる。


(ん?春巻き一個で良いのか?
 ほら。他にもうまいものあるぞ)

潤は「さて、バーの準備しましょうか…ね」と、皿をワゴンに集め出した。


(せっかくだから…もっと甘えろよぉ)


O「次。翔ちゃんの番だよ。唐揚げで良い?」
 智くんが行きなり、俺の皿の唐揚げを指で掴んでみせる。

(え…俺の番?)

O「ほら。あーん♡」
 智くんが唐揚げを口の近くまで持ってくる。

(わー照れる、でも、せっかくだから…)
「あぁーーん♡」
口を大きくあける。

 智くんが俺の口の中に、指ごと唐揚げを入れる。


(うふぅ。ちょっと指なめちゃった…)

O「おいしい?もう一個食べる?」
 ふわっと笑顔で聞く智くん。

「ふぁい!!」
(あなたがくれるものなんでも食べますよ!!)
親指を立てて、アピールする。

(唐揚げ旨い!! 旨すぎ♪)

口の中の唐揚げをゆっくり、じっくり噛んで味わった。
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